1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60430015
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
末野 重穂 筑大, 地球科学系, 助教授 (30110513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
圦本 尚義 筑波大学, 地球科学系, 助手 (80191485)
熊沢 峰夫 東京大学, 理学部, 教授 (60022571)
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Keywords | 2次イオン質量分析法 / 拡散 / メリライト / 単経品 / 深さ方向分析 |
Research Abstract |
本年度は、本課題第二年目にあたる。昨年度末に納入された「2次イオン質量分析装置用1次イオンビーム質量分析装置」を利用して、以下に箇条書する新たな知見・成果が得られた。 1.従来、我々の実験室で使用していた酸素の1次イオンには、【^(16)O】,【^(17)O】,【^(18)O】の同位体の他に、【O_2】,【H_2】O,【N_1】,【N_2】,【CO_2】,CN,Ar,Cl等の妨害イオンが存在していたことが判明した。これらの妨害イオンは1次イオンビーム質量分析装置を使用することにより完全に除去可能となり、現在では同位体的にも純粋な【^(16)O】の1次イオンビームを使用可能となった。 2.その結果、鉱物中に含まれる酸素の分析・酸素同位体の分析が始めて可能になった。何故なら、酸素には質量数16,17,18の3つの同位体があるが、この内、160の2次イオンは1次イオンビームから30%程度の混入がある。しかし、17,18の酸素は鉱物を構成する酸素のみから発生するからである。 3.1次イオンビーム中から極微量含有していたFe,Niのイオンも除去可能になったため、FeとNiの分析限界が4桁下がった。このことより、1次イオンビームの純化は軽元素のみならず、重元素の分析に対しても重要であることが判明した。 4.新しく開発した酸素分析技術を、メリライト中の酸素の自己拡散の研究に適用した。得られた拡散プロファイルは、従来知られていた体積拡散によるものに加えて、転位を利用した高速路拡散のプロファイルが存在することを示した。これは、酸素の自己拡散が、酸化物中で、転位により従進されることを示す初めての証拠である。
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Research Products
(2 results)