1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60440030
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
和田 博 大阪大学, 医, 教授 (30028295)
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Keywords | ヒスタミン / α-フルオロメチルヒスチジン / 概日リズム / 睡眠-覚醒リズム / コルチコステロン / 神経内分泌 / 視床下部潅流 / 【H_1】受容体 |
Research Abstract |
われわれは、ここ数年来、組織蛍光抗体法でラット脳内ヒスタミンニューロン系の局在を明らかにしてきた。本研究はこのヒスタミン神経系の生理的役割を解明することを究極の目的としている。今年度はヒスチジン脱炭酸酵素の特異的阻害剤であるα-フルオロメチルヒスチジン(FMH)を用いラット脳内の神経性ヒスタミンを涸渇させたときの行動薬理学的および神経内分泌学的影響の検討、視床下部-下垂体潅流系に対するヒスタミンの作用の検討、およびヒスタミン【H_1】受容体の可溶化と精製を試み以下のような成績を得た。1.FMHの行動薬理学的作用 (1)FMHを腹腔内に投与しその後24時間に渡って睡眠-覚醒パターンを脳波学的に検討したところ、夜間の覚醒時間が減少し、徐波睡眠時間が延長した。逆説睡眠時間には有荷な差は認められなかった。 (2)FMHを浸透圧ミニポンプで脳室内に慢性的に投与すると、昼間の摂水量および自発的運動量が増加した。 2.神経内分泌とヒスタミン (1)FMHの投与は血中コルチコステロンの基礎レベルを若干低下させ、水浸拘束ストレスによる上昇を抑制するとともに、その概日リズムをも平坦化した。 (2)FMHは松果体メラトニンの概日リズムには影響を与えなかった。 (3)視床下部-下垂体の潅流系においてヒスタミンはLHRHの分泌を促進した。 3.【H_1】受容体の可溶化と精製 ラットの脳,肝臓を出発材料として、あらたに開発したジフェンヒドラミン誘導体をリガンドとするアフニティークロマトグラフィーにより、【H_1】受容体をほぼ単一にまで精製することに成功した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Advances in Bioscience. 51:225-235. (1985)
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[Publications] Biogenic Amines. 3:9-19. (1985)
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[Publications] Jap.J.Pharmacol. 39:87. (1985)
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[Publications] Jap.J.Pharmacol. 40:115. (1986)