1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60440030
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
和田 博 阪大, 医学部, 教授 (30028295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠山 正弥 大阪大学, 医学部, 教授 (40028593)
福井 裕行 大阪大学, 医学部, 助教授 (90112052)
大和谷 厚 大阪大学, 医学部, 助教授 (30116123)
渡辺 建彦 東北大学, 医学部, 教授 (70028356)
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Keywords | 脳内ヒスタミン神経系 / 神経内分泌 / 概日リズム / 動揺病 / 視床下部灌流 / 【H_1】-受容体の精製 / α-フルオロメチルヒスチジン |
Research Abstract |
脳内ヒスタミン神経系の分布と機能に関して以下のような成績を得た。 1.脳内ヒスタミン神経終末の分布の詳細の解明: 組織切片と抗体との反応条件を改良し、脳内ヒスタミン神経終末の詳細な分布を検討した。三又神経中脳路核の大型細胞にヒスタミン神経終末が明確なシナプスを形成していることを見いだし、また、視床下部室傍核,視索上核にも終末の集積像を認めた。現在シナプス形成している相手の細胞の同定を試みている。 2.日内リズム,睡眠-覚醒サイクルと脳内ヒスタミン: ラットに慢性的に埋め込んだ電極からの脳波および筋電図を1週間以上に渡って連続記録し、オンラインをシグナルプロセッサーを用い自動的に睡眠ステージを判定させるプロブラムを開発することに成功し、現在これを用いて脳内ヒスタミンと睡眠の関連を追求している。 3.神経内分泌と脳内ヒスタミン: α-フルオロメチルヒスチジン投与により脳内ヒスタミンを涸渇させておくと、高張食塩水刺激によるバソプレッシン分泌が抑制されることを見いだした。現在、ホルモン分泌刺激時の脳内ヒスタミン神経の活動性をプッシュプルカニューレを用いて直接検討している。 4.中枢性ヒスタミンと平衡感覚: 昨年度開発したラット動揺病モデルにおいて、動揺病の発症を抑制するといわれている薬物の効果を検討し、このモデルは動揺病研究にも極めて有用な実験系であることが確認できた。そして、このモデルラットにFMHを投与しておくと、その発症が有意に抑制された。 5.ヒスタミンH1受容体の可溶化と精製: ヒスタミンH1受容体が比較的大量に存在するラット肝臓からの単離精製にはほぼ成功した。また、精製をさらに効率よく行うために、メピラミンをリガンドとする新しいアフィニティーカラムを作成し、良好な成績を得た。現在、このカラムを脳の受容体の精製に応用している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] N.Itowi: Jpn.J.Pharmacology. 40 suppl. 155 (1986)
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[Publications] A,Miyake: Neuroendoctrinology. 45. 191-196 (1987)
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[Publications] R.Cacabelos: Neuroendocrinology. (1987)
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[Publications] N.Takeda: Acta Oto-Laryngological. 101. 416-421 (1986)
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[Publications] Nai Ping Wang: Biogenic amine. (1987)
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[Publications] Nai Ping Wang: Biochemical and Biophysical Research Communications. 137(2). 593-598 (1986)