1987 Fiscal Year Annual Research Report
癌治療における薬剤の適正選択と増幅効果に関する研究
Project/Area Number |
60440050
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
櫻井 實 三重大学, 医学部, 教授 (40024707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
駒田 美弘 三重大学, 医学部附属病院, 助手 (80186791)
井口 光正 三重大学, 医学部, 助手 (70135432)
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Keywords | 多剤耐性 / プロティンキナーゼC / ホルボールエステルレセプター / 高速液体クロマトグラフィ / 核酸代謝 |
Research Abstract |
1.P388マウス白血病細胞を用いて, Etoposide(VPー16)耐性細胞を樹立した. この耐性細胞は, ビンクリスチン, アドリアマイシン等についても友差耐性を示した. これらの細胞の耐性メカニズムにおいて, Ca^<2+>リン脂質依存性プロティンキナーゼCの役割を検討するために, 細胞の特異的ホルボールエスチルレセプターを調べた. VPー16耐性細胞では, ホルボールエステルレセプター数は, 正常の52.6%にまで減少していることを証明し, これらホルボールエスチルレセプター, プロティンキナーゼCが薬剤の多剤耐性に関係していることを証明した. 2.高速液体クロマトグラフィに, 多波長検出器をつけることにより, チオプリン系抗腫瘍剤の細胞内活性化物質を同定し, これらの活性化物質が, 6ーメリカプトプリン, 6ーチオグアニンでは異なっていることを証明し, 核酸代謝に対しても, 6ーチオグアニンがdcTPプールを減少させるのに対して, 6ーメルカプトプリンでは, デオキシ3リン酸プールは全体に増加傾向であることを確認した. したがって, 6ーチオグアニンは主として, DNAに対して作用し6ーメルカプトプリンでは, チオIMPを介してプリン新生経路を抑制し, RNA合成を, 主として抑性すると考えられた.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Masaru Ido: Cancer Research. 47. 3460-3463 (1987)
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[Publications] Masaru Ido: Leukemic Research. 10. 1063-1069 (1986)
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[Publications] Masaru Ido: Cancer Research.
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[Publications] 落合 秀江: 三重医学. 31. 505-516 (1987)