1988 Fiscal Year Annual Research Report
癌治療における薬剤の適正選択と増幅効果に関する研究
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60440050
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Research Institution | MIE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
櫻井 實 三重大学, 医学部, 教授 (40024707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 祥二朗 三重大学, 医学部, 助手 (40167979)
駒田 美弘 三重大学, 医学部, 助手 (80186791)
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Keywords | Biochemical modulation / 核酸代謝 / 多剤耐性 / Collateral sensitivity |
Research Abstract |
1.初発時、あるいは、再発時の急性骨髄性白血病患者(AML)および急性リンパ性白血病患者(ALL)の末梢白血病細胞を採取して細胞内ara-CTP産生能を測定してみると、寛解導入療法にara-Cを用いるAML例では初発時に較べて再発時では有意にara-CTP産生能は低下していた。こういう症例に対しては、むやみにara-C投与量を上げずに細胞内dCTPレベルを下げるMTX-ara-C併用療法が有効と考えられる症例を経験した。これらの症例が、他の多くの薬剤に抵抗性であったことを考えるとMTX-ara-C併用療法が有効であったと考えられた。したがって臨床的にara-C耐性となっても核酸代謝プールを分析してMTXのbiochemical modulationを利用することによって耐性を克服できると考えられた。 2.我々が作成した、VP16耐性細胞ではdNTPs Poolは全体に小さく核酸合成系はsalvage dependentになっていることが証明しさらにこの細胞は、ara-Cに対してcollateral sensitivityが認められた。この機序がVP16耐性細胞ではdCTPレベルが低下しておりara-C投与時にara-CTP/dCTPの増加によるものであることを証明した。 3.L1210マウス白血病細胞を用いた実験においてもVP16-araーC併用療法はMTX-ara-C併用療法と同じくVP16を同時投与よりもsequentialに併用することによって抗腫瘍効果の増加を認めた。 4.プロテインキナーゼC、ホスボールエステルがVCR、ADRなどの多剤耐性機序に関与していることを証明した。 5.ホスボールエステルがglucocorticosteroidによる細胞増殖抑制に一部関与していることを証明した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 落合秀江: 日本小児血液学会. 2. 61-67 (1988)
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[Publications] Toshiki Ookubo: European J.of Cancer and Clin.Onco.24. 1823-1828 (1988)
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[Publications] Masamune Higashigawa: Leukemia Research. (1988)
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[Publications] Masamune Higashigawa: Med.Onco.and Tumor Phamacother.5. 265-271 (1988)
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[Publications] Kunihiko Satoh: Leukemia Research. 12. 3-9 (1988)
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[Publications] Masaru Ido: Leukemia Research. (1989)