1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60460233
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
仁科 浩二郎 名大, 工学部, 教授 (60023222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 岩夫 日本原子力研究所, 燃料安全工学部, 臨界安全研究室長
山根 義宏 名古屋大学, 工学部, 講師 (60115649)
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Keywords | 臨界安全 / 核燃料 / 雑音解析 / パワースペクトル / カリフォルニウム / 原子炉動特性 / 末臨界度 / 中性子増倍率 |
Research Abstract |
本研究の目標は、米国のMIHALCZO氏提唱の3検出器雑音法を評価発展させることである。この方法では、カリフォルニウム252中性子源を内蔵する電離箱(検出器#1)と、2個の中性子検出器(#2,#3)を原子炉燃料体系中に配置して計測を行い、3出力間の相互パワースペクトルを算出する。それらスペクトルの間の比は原子炉理論によって体系の未臨界度ないしは中性子増倍率に結びつけられる。そこでこれを発展させれば、臨界安全管理に不可欠なモニターの機能を期待できる。 本年度は理論解析としてこの測定実験のモンテ・カルロ法による計算機シミュレーションが行われた。原子炉燃料体系を無限円柱で近似し、検出器#1を線状の線源で表現する。検出器#2,#3は無限に長い八ツ橋状の円狐にモデル化する。このようなモデル計算の結果、検出器出力間の相関関数、スペクトル比の周波数特性,同じくスペクトル比の検出器位置依存性などについて、決定論的手法から得られる理論値と同傾向を得ることができた。 今後は更にこの手法を改善して、この実験における核分裂中性子家系の空間的広がり、および検出器信号が示す時系列などを表示して直観的把握を助け、決定論的解析と相俟ってこの実験法に対する理解を深める方針である。特にカリフォルニウム中性子源の強度の影響、検出に伴う中性子消滅の効果などを模擬できれば、決定論的解析で用いた仮定の是非も検討できる。 なお実験の面では、本年度は効率の高い大型の検出器を購入し、検出器の最適位置を探る予備的実験が行われた。この面では62年度に本格的な実験を行う計画を立てている。 またこの測定法が將来実用化されて原子炉燃料施設に適用される場合を考え、炉物理以外を専門とする技術者にも理解しやすい、入門的な解説書を資料として作成した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 山根義宏,渡辺昭次,仁科浩二郎,三好慶典,須崎武則,小林岩夫: 日本原子力学会誌. 28. 850-858 (1986)