1988 Fiscal Year Final Research Report Summary
Project/Area Number |
60486481
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
渡辺 清明 慶応義塾大学, 医学部, 講師 (20101983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 康夫 慶応義塾大学, 医学部, 講師 (00110883)
安藤 泰彦 慶応義塾大学, 医学部, 講師 (50051470)
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Project Period (FY) |
1985 – 1986
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Keywords | 血小板 / 膜糖蛋白 / トロンボスポンジン / トロンビン / フィブリン / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
血小板活性化の際の膜変化は種々の刺激物で生じる。この中最も生理的に重要なのはトロンビンである。 本研究ではまずトロンビンにより活性化した血小板にどのような膜変化がおこるかを検討し、フィブリンあるいはGPIIb/IIIaに対するモノクローナル抗体を用いて活性化血小板検出の基礎的検討を行った。 ヒト洗滌血小板をヒトαートロンビンで活性化した際に以下の成績が得られた。 1)血小板膜表面にある糖蛋白GPIbにトロンビンが結合した。 2)膜糖蛋白GPVがトロンビンにより選択的に水解され、その分解物であるGPVフラグメントが細胞外に放出された。 3)血小板膜表面に血小板α顆粒にあるトロンボスポンジンが認められるようになった。 4)膜表面ヒフィブリンが結合した。 また、モノクローナル抗体を用いて活性化血小板への結合を検討した結果以下の成績が得られた。 1)抗フィブリン(DーDダイマー)抗体が活性化血小板に有意に多く結合した。 2)抗GPIIb/IIIa複合体モノクローナル抗体が、ADP、カルシウムで活性化した血小板に多量結合した。 以上よりトロンビンで活性化した血小板ではトロンボスポンジン、GPVフィブリン、GPIIb/IIIaに変化が生じ、これら活性化血小板の検出にフィブリン、あるいはGPIIb/IIIに対するモノクローナル抗体が有用である可能性が示された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 渡辺清明: 血液と脈管. 15. 317-332 (1984)
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[Publications] 渡辺清明: 臨床病理. 特集号62. 69-81 (1985)
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[Publications] 渡辺清明: 新潟シンポジュウム、血小板放出反応をめぐって. 20-28 (1985)