1986 Fiscal Year Annual Research Report
急性心臓死例における細胞内小器官のCaイオン濃度の変動について
Project/Area Number |
60570269
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
三沢 章吾 筑大, 社会医学系, 教授 (50086534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 弘明 福山大学, 薬学部, 教授 (70111391)
田中 英之介 筑波大学, 社会医学系, 講師 (30138416)
土屋 滋 筑波大学, 社会医学系, 助教授 (10013963)
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Keywords | カルシウム / 細胞内カルシウム / ミトコンドリア / マイクロソーム / パラコート / グラモキソン / 急性心臓死 |
Research Abstract |
急性心臓死のモデル実験として除草剤パラコートおよびグラモキソンをラットなどの実験動物に投与し、心、肺、肝、腎などの細胞内小器官(ミトコンドリア,マイクロソーム)におけるカルシウムイオン濃度の変動がどのように機能に影響をもたらすかを検討し、以下のような成績を得た。 (1)急性のパラコート(グラモキソン)が心臓毒として作用することが明らかになった。 (2)【Ca^(++)】の取り込みはATPに依存し、肝および肺のマイクロソームにおける【Ca^(++)】の取り込みは抑制されたが、心では明らかな抑制はみられなかった。 (3)ATP依存の【Ca^(++)】の取り込みに重要な働きをすると考えられているマイクロソームのMg-ATPareの活性測定を行ったところ、肝、肺、心のマイクロソームMg-ATPaseの活性は抑制されなかった。 (4)ミトコンドリアでは、ATPaseの活性が上昇する。 (5)パラコートによる膜の脂質過酸化の上昇が見られたが、これは酸素供給が十分な場合にはみられたが、低酸素状態ではMADの増加として検出できる程度にはおこらなかった。 (6)パラコートは肝、腎の細胞膜を傷害する。とくに腎において細胞内【Ca^(++)】の蓄積がみられた。 (7)急性心臓死別の心筋についても同様の成績が得られている。とくに機能面では、動物実験において、心拍数の著明な抑制として表現されることが推定された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] N.Noguchi;S.Misawa;S.Tsuchiya;H.Yamanoto;H.Naito: Veterinary and Human Toxicology. 27. 508-510 (1985)
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[Publications] N.Noguchi;K.Goto;H.Yamamoto;S.Misawa: Toxicology and Applied Pharmacology.