1986 Fiscal Year Annual Research Report
DMBAハムスター誘発舌癌における免疫細胞化学的研究
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60570932
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岸 幹二 岡山大, 歯学部, 教授 (30033202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早瀬 康博 岡山大学, 歯学部, 助手 (40180989)
秋田 和俊 岡山大学, 歯学部, 助手 (10167835)
小松 久高 岡山大学, 歯学部附属病院, 講師 (20162050)
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Keywords | 癌 / 免疫細胞化学 / ケラチン蛋白 |
Research Abstract |
初年度に引続き、DMBA誘発ハムスター舌癌の発癌過程における中間径フィラメントの発現様式を検討するとともに、発生した腫瘍に対する放射線照射の細胞骨格に及ぼす効果を免疫組織化学的に検討した。 検索には被検病変のホルマリン固定、パラフィン切片および各種の細胞診標本を用い、サイトケラチン(ヒトHCK、ブタPCK)、インボルクリン(Inv.)は、PAP法で、扁平上皮特異ケラチン(SE)、非扁平上皮特異ケラチン(NSE)およびビメンチン(Vim)はABC法で免疫染色した。 結果 (1)正常および反応性病変では、HCKやPCKは重層扁平上皮粘膜で全層性に、Inv.は中層および表層に、SEおよびNSEは表層に、陽性であったが、Vim.は陰性であり、これら6種類の抗体により、重層扁平上皮の分化度が解析できた。 (2)発生した扁平上皮癌組織では、抗原発現が不規則になる傾向を認めたが、HCK,PCKは分化した部にも、未分化部にも、陽性であった。一方、Inv.は、分化した部に陽性で、未分化な部では非腫瘍性組織で発現のみられなかったVim.が検出された。 (3)放射線照射の影響については、非腫瘍性組織および腫瘍組織を局所照射群と未照射群に分け検索した。非腫瘍性組織では、HCK,PCK,Inv.などで、放射線照射の有無による差は認められなかったが、照射群では真皮の活動型線維芽細胞がVim.強陽性となった。腫瘍組織では、HCK,PCK,Vimについては、両群で明かな差はなかったが、Inv.がPotchyに分化型腫瘍細胞に陽性であり、未分化な部のVim.が強陽性になる傾向を認めた。 (4)細胞診材料については、材料採取方法を検討した結果、吸引法がもっともよく、細胞骨格蛋白の構築が明瞭になることがわかったが、今後、症例数をふやして検討する予定である。
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