1985 Fiscal Year Annual Research Report
大出力UVエキシマーレーザー用ファラデー回転子の開発
Project/Area Number |
60840005
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
植田 憲一 電気通信大学, 国立大(その他), 助教授 (10103938)
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Keywords | レーザー / エキシマー / ファラデー回転 / 光アイソレータ |
Research Abstract |
大出力レーザー増幅システムにおける増幅器間の結合防止やレーザー光照射したターゲットプラズマからの反射を防止するための、光の一方向伝播素子としてUV用ファラデー回転子を開発している。高強度の紫外線レーザー照射にも耐え、色中心を生じないファラデー回転材料を検討した。レーザー光損傷強度の観点から、UV領域のファラデー回転材料としては、紫外で高透過率な純物質を使用すべきであるとの方針に基づき、各種紫外用光学材料のヴェルデ定数を検討した。ファラデー回転子の性能指数として、ヴェルデ定数/吸収係数を指標とした検討の結果,純水,合成石英,Nacl結晶が最も優れているとの結論をえた。直径5cm程度の試験装置による実験の結果は良好で両者とも従来ガラスレーザー用に開発されたFR-5ファラデー回転ガラス以上のファラデー回転能を示し、透過レーザー光の光学品質も問題がないことが判明した。大口径ファラデー回転子の材料としては高純度合成石英ガラスを使用することに決定し、日本石英にて高透過率、高均質性合成石英の試作研究を行った。研究の結果開発された高純度合成石英は約180nm付近まで紫外線を透過する優秀な特性を示した。口径15×15cmの範囲における光学的均質性は5×【10^(-5)】以下であった。偏光子の開発も大きな進展を見せた。従来UV用偏光子としては方解石を用いた偏光子しかなかったが、方解石は天然結晶しか存在せず、大きな口径を得ることが困難な上、透過率は50%程度で吸収があるために大出力レーザーの入射は不可能であった。今回初めて開発に成功した薄膜偏光子は大口径で248nmにおける透過率が92%、消光比が1/200の優秀な性能を示した。大口径ファラデー回転子用コイルの設計では非均一巻きコイルを設計製作し、必要電気エネルギーを低減するとともに磁界の均一性の向上に成功した。また、磁界電源は全固体素子化が図られた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] レーザー学会論文誌. 13-10. (1985)
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[Publications] CLEO'85 ThM46. (1985)
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[Publications] Proc.of LASERS'85. (1986)
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[Publications] 高出力KrFレーザーシステムワークショップ. (1986)