1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60850086
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
阿部 英彦 宇都宮大学, 工, 教授 (40167945)
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Keywords | 合成構造 / 橋梁構造 / 耐荷力 |
Research Abstract |
鋼部材とコンクリートとが協力し、一体となって働く様に構成したものが合成構造であるが、近来、その経済性や優れた性質の故に、土木構造物や建築構造物としても広く用いられる様になった。その様な合成構造をラーメン構造(フレーム構造)にも適用することが考えられるが、特に鋼部材と鉄筋コンクリート部材とを接合する部分には研究を要する。今回の研究は2年に亘るが、本年は初年度であり、その基本的な性状を知るために2シリーズの実験と解析を行なった。 1.スタッドを溶植した鋼板(主板)同志を長手方向にコンクリートと異型鉄筋、又は主板と同様にスタッドを溶植した鋼板(副板)を介して接合するものである。継手の長さ、スタッドの本数、フープ筋の量、コンクリートの強度等を変えて実験し、以下の結果を得た。 【◯!1】スタッドが伝達する力は端部のものの方が内側のものよりも大きい。【◯!2】スタッドの数が多い程、同荷重に対して当然、ずれは小さく、又、最高耐力は大きくなるが、降状点は不明瞭になる。【◯!3】今回の型式ではフープ鉄筋の量は梁の諸性質に対して殆んど影響を及ぼさなかった。【◯!4】主板も副板もスタッドが1列の場合に比べて、いづれかが2列の場合には最高耐力は明かに大きくなる。【◯!5】今回の型式では最高耐力は現行の道路橋示方書の許容値の約3倍の値を示した。 2.H型鋼をコンクリートに埋込んだ梁についてせん断力を伝達するジベルの位置を種々変えて、曲げにおける性状を比較した。結果は、【◯!1】端部でのH鋼とコンクリートとのずれはジベルが全く設けられていないものが最大であり、次にジベルがH鋼の下フランジに設けられているものが大きく、上フランジに設けられたもの及び腹板に設けられた物では共に非常に小さかった。【◯!2】曲げ耐力に関してはジベルの位置にかかわらず、完全合成のものと同等の高い値を示したが、ジベルを全く設けなかったものは60%程度の低い値にとどまった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 土木学会・関東支部技研究発表会(13回)概要集. (1986)
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[Publications] 土木学会・年次学術講演会概要集. (1986)
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[Publications] 土木学会・合成構造に関するシンポジウム論文集. (1986)
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[Publications] 土木学会・構造工学シンポジウム論文集. (1987)