1985 Fiscal Year Annual Research Report
メタル・セラミック間の濡れ性,接合性評価による複合材料の製造
Project/Area Number |
60850125
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荻野 和巳 大阪大学, 工, 教授 (00028937)
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Keywords | 濡れ性 / 炭化硅素 / 溶融金属 / 接触角 / セラミックス / 複合材料 |
Research Abstract |
種々の純金属(Fe、Co、Ni、Ag、Pb、Sn、Ge、Cu)およびTi、Siを含むCu合金による反応焼結SiC、ホットプレスSiC、単結晶SiCの濡れ性を測定評価した。 溶融純金属によるSiCの濡れ性は金属およびSiCの種類によって大きく異なることがあきらかとなった。溶融純金属がSi、Cを溶解する場合には反応焼結SiC、ホットプレスSiCのいずれともよく濡れ、Si、Cのいずれをも溶解しない金属とSiCとの濡れは悪く、その相違は顕著であった。またSiのみを溶解するCuについては種々の条件下で測定を行った結果、溶CuとSiCとの濡れ性はSiの溶Cu中への溶解量を考慮することによってほぼ定量的な説明が可能であることをあきらかにした。この考え方は他の溶融金属に対しても成り立つことをあきらかにした。 一方、溶融純Cuと単結晶SiCとの濡れは他のSiCの場合とは大きく異った様相を示した。反応焼結、ホットプレスによるSiC板上の溶Cuは正常な滴を形成したが、単結晶SiCの場合には接触直後は通常の滴の形状を成したが、徐々に変形を生じ、最終的には六角形状に拡がった。この現象は科学研究費補助金で購入した高温顕微鏡によっても観察された。高温顕微鏡による試料上部からの観察によるとCuの溶解後数分間はほぼ完全な円形の濡れを示し、その後急速に六角形状に拡った。同様な現象はGeについても観察されたが、Snについては通常の濡れを示した。 また、溶融Cu-Ti合金によるSiCの濡れ性の測定から以下のことがあきらかになった。溶銅中のTiの挙動はSiCの種類により異なり、Cu/SiCの初期界面にTiの濃縮がみられる場合と最終的な反応界面に濃縮する場合とがありこの点に関する情報をより多く得るべく、現在研究を続行中である。
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[Publications] 鉄と鋼. 71-13. (1985)
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[Publications] 日本学術振興会、第140委. 25. (1985)
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[Publications] 鉄と鋼. 72-5. (1986)