1985 Fiscal Year Annual Research Report
形状記憶合金を利用した人工尿道括約筋およびペニスプロステーゼの開発
Project/Area Number |
60870056
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
原田 忠 秋田大学, 医, 講師 (00108953)
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Keywords | 形状記憶合金 / 人工尿道括約筋 / ペニスプロステーゼ / ニチノール |
Research Abstract |
形状記憶合金によるワイヤーあるいは板材を使用し、記憶を与える操作、すなわち焼き入れ、および形成を今年度は行なった。当初の計画以外の器材も必要となり(焼き入用電気炉、定電流供給器等)、若干計画以外の物品も購入したが、実験計画は、ほぼ遂行可能であった。人工尿道括約筋は全方位記憶合金の板材を使用し、これは50℃で変態相完了点に達するように焼き入れ、形成を行なった。加温はニクロム線をシリコンゴムにより被覆したもので直流電源から通電し、行なった。U字状の板材は10〜20秒間0.1Aの通電で充分の圧力および形態変化が完了した。ペニスプロステーゼはワイヤーを束ねて形状を記憶させた。可温は尿道括約筋と同様にニクロム線で行なったものと、直接このワイヤーに通電し行なった2つの方法で比較した。いずれも0.5A程度の電流を10〜20sec通電で充分に復元し、外圧に対する張力も充分であった。なおこれらの合金を被覆し直接のアクチュエーターとなるシリコンゴムの形成は、現在実験中であるが適当な硬度と柔軟性が要求されるため、しばらく基礎的な検討が必要と思われる。 なお次年度は、動物実験用の作成および、括約筋としての張力、内圧を定性的に測定し、検討する予定である。なお本研究の研究業績の一部は61年度人工臓器学会で発表する予定である。
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