1987 Fiscal Year Annual Research Report
日本と韓国の住居の近代化過程に関する比較研究ー住様式の継承と変容ー
Project/Area Number |
61302070
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 成文 東京大学, 工学部, 教授 (60010667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
友田 博通 昭和女子大学, 家政学部, 講師 (00155582)
在塚 礼子 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (30112973)
初見 学 東京理科大学, 理工学部, 講師 (40107537)
畑 聡一 芝浦工業大学, 建築工学科, 助教授 (80104909)
小柳津 醇一 芝浦工業大学, 建築学科, 助教授 (30052830)
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Keywords | 比較住文化論 / 住宅の近代化 / 住様式 / 住文化 / 室構成 / 集落構造 / 韓国の住宅 / アンバン / マル / サランバン / オンドル / 続き間 / 座敷 / 茶の間 / 中廊下型住宅 / 近代化型住宅 / 中庭型住宅 / 外庭型住宅 / 住居の対社会性 |
Research Abstract |
1.本年度中に実施した調査分析は主に下記の2点である. (1).韓国における住宅の近代化の実態を把握することを目的に, 近代化型住宅の典型例として, 都市部における最近の建売住宅と農村部のセマウル住宅を対象に, 住様式の実態を把握. (2).韓国側共同研究者によって実施された都市型韓屋の調査資料を, 近代化による変容という視点から分析. 2.これまでの文献調査および実態調査(伝統的都市韓屋・都市独立住宅・集合住宅・農漁村民家・セマウル住宅)を基に, 韓国住宅の近代化過程における住様式の継承と変容について考察・整理した. (1).継承されている点は, 床暖房方式およびユカ坐の起居様式, 主要な二つのオンドル部屋を板の間(マル)でつなぐ室配列構成, 夫婦の居室(アンバン)のもつ家の中心としての性格, 独自の食文化を背景とする充実した炊事作業空間, 等である. (2).変容しつつある点は, 暖房や建設経費および住宅内動線の合理化を目的とする住宅のコンパクト化, 内庭型の構成から外庭型の構成への変化と日常生活空間としての庭の役割の減少, 住宅内部とくに台所と庭との関係の希薄化, 玄関の設置, 暖房・設備方式の改良, 浴室・便所の室内化, 台所の床上化とダイニングキッチン形式の普及および欧米式のリビングルーム(コシル)概念の導入による生活の機能分化, 等である. 3.以上の近代化過程を日本と比較して考察すると, 日常生活の機能的合理化や充足に関わる部分は変容し易い反面, 住宅の対社会性に関わる部分では, 共有された社会的慣習や文化を背景に, 住宅の基本的構成(韓国のアンバンーマルの連鎖や日本の続き間)は根強く継承されているといえる.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 小柳津醇一: 日本建築学会学術講演梗概集. 29-30 (1986)
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[Publications] 畑聡一ほか: 日本建築学会学術講演梗概集. 31-32 (1986)
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[Publications] 初見学;宮地克彰ほか: 日本建築学会学術講演梗概集. 37-38 (1986)
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[Publications] 鈴木成文ほか: 住宅建築研究所報. 13. 349-362 (1987)
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[Publications] 畑聡一;黒野弘端ほか: 日本建築学会学術講演梗概集. 81-82 (1987)
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[Publications] 初見学;高田えり子: 93-94 (1987)