1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61303017
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大野 雅二 東大, 薬学部, 教授 (00111550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼松 顕 九州大学, 薬学部, 教授 (70023041)
北川 勲 大阪大学, 薬学部, 教授 (20028830)
金子 主税 東北大学, 薬学部, 教授 (40013833)
矢島 治明 京都大学, 薬学部, 教授 (00025678)
古賀 憲司 東京大学, 薬学部, 教授 (10012600)
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Keywords | 生命機能 / 精密有機合成 / 酵素 / 不斉反応 / β-ラクタム抗生物質 / ペプチド合成 / ヌクレオシド / ビタミンD |
Research Abstract |
(1)新構造を有する生理活性物質の発見-(北川・上田・野副・首藤・小林・池上・金岡・日野)-脳・神経系において重要な働きをするグルタミン酸およびその誘導体の生物活性解明のため、β-位に水酸基をもつグルタミン酸関連化合物の合成、ヌクレオシド系機能調節物質の化学合成では、アン子型に固定されたピリミジンヌクレオシドの合成法を見い出した。海洋生物生理活性物質の探索では、沖縄県小浜島で採集した根生目軟サンゴの成分研究を行い、これまでに3種のトリノルセスキテルペンおよびメチル基転位ドラベラン型ジテルペンを単離し、絶対配置を含めそれらの構造解明を行った。生理活性ポリ環状芳香族化合物の合成研究では、種々の複素環化合物合成の新手法を開拓し、今後はこの反応を応用して生理活性の高い天然有機化合物のヘテロアナローグ体をつくる。 (2)機能性物質合成のための選択的新反応の発見-(矢島・兼松・大野・米光・金子・福本・古賀・大石・阿知波・冨士・長尾)-生理活性ペプチドの精密有機合成では、最終脱保護基に強く成果が依存しているため、トリメチルシリル・トリフルオロメタンスルホン酸エステル法を開拓し展開を続けている。生理活性を有するジエンおよびポリエンの合成では、ペンタジエニルジチオカルバメートを出発原料とするC-C結合反応を開拓した。高度の不斉合成機能を持つ金属錯体触媒の開発と応用では、すぐれたケトン還元試薬が見い出された。活性型ビタミンDの立体選択的合成を行った。クラウン化キノン類の合成、アミド塩基による新規不斉合成反応の開発、有機合成における酵素機能の活用などで、それぞれ見るべき成果が得られた。また環状アシルイミン-キラルエノラート間のソフト-ソフト不斉反応からβ-ラクタム環の新合成法が見い出された。
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