1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61440089
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
牧田 章 北海道大学, 医学部, 教授 (60004561)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠井 憲雪 北海道大学, 医学部, 助教授 (60001947)
本家 孝一 北海道大学, 医学部, 助手 (80190263)
賀佐 伸省 北海道大学, 医学部, 助教授 (10142712)
|
Keywords | (β1→4)N-アセチルガラクトサミン転移酵素 / ガングリオシド【GM_2】 / (β1→3)ガラクトース転移酵素 / ガングリオシド【GM_1】 / ラット肝 / シアリルラクトース |
Research Abstract |
本年度の計画に従い、以下の研究成果を得た。 1.ガングリオシド【GM_3】+UDP-GalNAc→【GM_2】+UDPの反応を触媒する(β1→4)GalNAc転移酵素(以下【GM_2】合成酵素と略記)をラット肝から精製した。酵素活性は、[【^(14)C】]GalNAcで標識された反応産物(【GM_2】)を抗【GM_2】抗体で沈降させ、沈降物の【^(14)C】をカウントすることによって測定した、肝ホモジェネートから得た顆粒画分をTriton×100で酵素を可溶化し、7×【10^4】Gで遠心した上清をアミノヘキシル-Sephoroseの疎水クロマトで吸着する画分を受容体基質、【GM_3】をリガンドとするアフィニティーカラムでクロマトを行うことにより【GM_2】合成酵素を約6,300倍にまで精製した。精製酵素は分子量約120,000(120K)で、SOS存在下の電気泳動の所見から、70Kと65Kの二つの不同サブユニットから成っていた。本酵素の至適pHは6.7〜6.9であり、活性発現には乙価陽イエンを要求し、【Mn^(2+)】よりも【Ni^(2+)】が有効であった。UDP-GalNAcに対するKmは17μMであったが、基質【GM_3】濃度に対する酵素活性は非Michaelis-Menton様式であった。本酵素は【GM_3】とそのオリゴ糖部分(シアリルラクトース)にはよく働き、シアル酸はN-アセチルも-グリコリル体も区別しなかった。種々の糖脂質,糖蛋白基質の実験結果から、本酵素はシアリルラクトース構造のGalを認識する特異性の高い酵素であることを実証した。2.【GM_2】+UDP-Gal→【GM_1】+UDPの反応に働く(β1→3)Gal転移酵素(【GM_2】合成酵素)について先づ酵素活性測定法を検討した。【GM_1】に対する特異性の高い抗体は得難いが、【GM_1】がコレラ毒素(CT)の特異的受容体であることに着目し、CTと抗CT抗体を用い、【^(14)C】標識の微量【GM_1】・(10〜100Pmol)測定法を確立した。【GM_1】酵素はラット肝ホモジェネートからColgi装置を分離し、ColgiをLubrolで可溶化後、各種クロマトによる精製を進めている。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Gasa,S.: European Journal of Biochemistry. 155. 603-611 (1986)
-
[Publications] Honke,K.: Analytical Biochemistry. 155. 395-399 (1986)
-
[Publications] Yanagisawa K.: submitted.
-
[Publications] Ishikawa,Y.: Journal of Biochemistry. 101. (1987)
-
[Publications] Sako,F: International Journal of Biochemistry. (1987)
-
[Publications] 牧田章: 細胞工学. 5. 20-32 (1986)