1986 Fiscal Year Annual Research Report
精神薄弱児の時間弁別能力:マスキングにおける誘発電位の潜時の変動を示標とした分析
Project/Area Number |
61450009
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
北島 象司 北海道大学, 教育学部, 教授 (50000633)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古塚 孝 北海道大学, 教育学部, 助教授 (30091490)
狩野 陽 北海道大学, 教育学部, 教授
|
Keywords | 注意配分 / 心理学的不応期 / 誘発電位後期陽性波 / P300 |
Research Abstract |
昭和61年度の主たる研究は正常被験者の視覚誘発電位を分析し、時間解析能力を分析するための基礎資料を作成することである。ここでは高校生と大学生10名、1名につき2回、延べ20名の誘発電位実験を報告する。1.刺戟と実験条件。(1)刺戟は2種類の視覚刺戟、ひと桁の数字と不規則配置のチエカーパタン。これを暗室内スクリーンに投写した。数字とチエカーは0.2秒間隔で対にされ、1試行に2組の対(【S_1】と【S_2】,【S_3】と【S_4】)が1.5秒間隔で提示された。両刺戟に対して別々の課題を被験者に要求した。(2)約150回の試行中、半分は弁別すべき刺戟(ターゲット)の種類不明条件で、残りの半分はターゲットの位置不明条件であった。前者ではターゲット位置(【S_1】と【S_3】もしくは【S_2】と【S_4】)は指定されたがその位置に数字とチエカーのいずれが提示されるかは被験者には不明であった。後者ではターゲットの種類(数字またはチエカー)は指定されたが、そのターゲットが【S_1】と【S_3】,【S_2】と【S_4】のいずれかに提示されるかは被験者には不明であった。2.脳波測定法。(1)電極を後頭,頭頂,中心,前頭部に装着し、両耳を基準にして単極脳波を記録した。(2)ターゲットの不明条件などの変数ごとに分類してコンピュターにより加算平均法により誘発電位を作成した。3.結果。(1)誘発電位の成分。刺戟対の2刺戟に対する電位成分が重畳して出現したが、【S_1】/【S_3】に対する陰性と陽性波【N_1】と【P_2】、および【S_2】/【S_4】に対する【N_1】とP300を分離計測することが可能であった。(2)後頭電位の中で【S_1】に対する【N_1】は種類不明、位置不明両条件間で振巾差を示した(種類不明<位置不明)が潜時差を示さなかった。(3)【S_2】に対する頭頂・中心・前頭【N_1】はこれら両条件間で潜時差を示し(種類不明<位置不明)、P300は振巾差(位置不明<種類不明)と約50ミリ秒の潜時差(種類不明<位置不明)を示した。4.展望。注意切り換えのおくれの効果を誘発電位を用いて計測可能となりこれを精神薄弱に適用する。
|
Research Products
(2 results)