1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61460069
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大泊 巌 早稲田大学, 理工学部, 教授 (30063720)
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Keywords | 分子軌道法 / Siの酸化 / モデリング / 界面 |
Research Abstract |
Si/SiO_2界面での酸化の素過程を理解する為に、分子軌道法を用いて電子論的に反応を考察した。近年のデバイスの微細化に伴いこの界面物性評価は重要性を増している。我々は分子軌道法の中でも計算量が少なく精度の高いDV-Xαクラスタ法を用い、一般の分子軌道計算で扱う事が困難である上記の界面での計算を行った。Siの酸化機構は酸化種がSiO_2中を拡散しSi/SiO_2界面でSiの酸化が起こると現在考えられている。酸化反応の素過程の詳細を探るためには、Si/SiO_2界面においてどの結合が切れて酸化種と反応をしやすいかを調べる事が必要である。DV-Xαクラスタ法の計算結果から最高被占軌道(HOMO)を求めること、界面Siの背面結合のさらに一段基板側にあるSi-Si結合がこれに当たることがわかる。このことからSi/SiO_2界面近傍の結晶Si中におけるSi-Si結合は、界面Siの背面結合よりもそれより一段基板側にあるSi-Si結合のほうがエネルギーが高い、すなわち結合が弱く反応性が高い軌道であることがわかった。つまり、酸化種が界面近くまで拡散してきた時に、今まで考えてきたように界面Siの背面結合が切れて酸化が順に進むのではなく、比較的奥のSiとの反応が先に進む可能性があることがわかった。酸化反応が一層ごとに進のではなく上記の結果のように奥の方が先に酸化するような機構があると仮定すると形成されたSi/SiO_2界面は相当乱雑になると考えられる。このような酸化機構が現在断面TEM等で観察されるSi/SiO_2界面の乱れの原因の1つであると仮定すれば、この酸化機構についての知識をさらに深めることによって、逆に界面の乱れを防止する方策をたてることも可能になると考えられ、非常に興味深い結果である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] H.Kawarada.;T.Ueno.;I.Ohdomari.;Y.Kunii.: J.Appl.Phys.63. 2641-2644 (1988)
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[Publications] I.Ohdomari.;K.Kai.;T.Ueno.;K.Suzuki.: to be published to J.Appl.Phys.
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[Publications] H.Akatsu.;I.Ohdomari.: to be published Proc.of 2nd Int'l Conf.Formation of Semiconductor Interfaces.
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[Publications] I.Ohdomari.;T.Ueno.;T.Showya.K.Kishimoto.;K.Kai: to be submitted to J.Appl.Phys.
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[Publications] K.Suzuki.;T.Ueno.;I.Ohdomari.;Y.Kunii.: to be submitted to J.Appl.Phys.
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[Publications] T.Ueno.;K.Suzuki.;K.Iemura.;K.Kawai.;T.Moriwasa.;I.Ohdomari.;Y.Kunii.: to be submitted to J.Appl.Phys.
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[Publications] T.Ueno.;K.Suzuki.;K.Iemura.;K.Kawai.;T.Moriwasa.;I.Ohdomari.0Y.Kunii.: to be submitted to J.Appl.Phys.