1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61460214
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
五十嵐 脩蔵 北海道大学, 水産学部, 教授 (80001585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 成治 北海道大学, 水産学部, 助手 (60166676)
見上 隆克 北海道大学, 水産学部, 講師 (90001627)
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Keywords | マン・マシンシステム / 労働災害 / 沿岸漁業 / 作業分析 |
Research Abstract |
1.目的:漁業機械による労働災害を減らすため、災害事例を分析し、その結果より1、2の漁業種類について現場での作業分析を人間ー機械系の観点から行い、災害要因を明らかにし安全対策の基礎資料を得ることを目的とする。2.成果:(1)北海道の30漁業協同組合から収集した労働災害事例は1788例で、漁業機械による労働災害は744例(41.8%)であった。このうち、刺網漁業が最も多く、315例(42.3%)であった。(2)綱を用いた漁業に用いる張力計、綱移動速度計、ドラム回転数計および作業者の作業内容計測用ビデオカメラの計測・記録システムを試作し、フィールドでの使用にたえるようにした。(3)7.82tの小型漁船の騒音を測定した結果、エンジンハウス内では97dB(A)あるものが船首にある機械近辺では約15dB(A)減衰していた。1/3オクターブバンド分析ではエンジンハウスによって、高音域が減衰し、また、低音域のピークはエンジン回転数の基本周波数と一致する周波数に見られた。3.考察・反省:(1)漁業機械による労働災害は機械に巻き込まれるものが多く、その安全対策が必要である。(2)騒音測定の結果、安全対策のひとつとして、単母音「あ」を発声して、危険時における機械の自動停止が可能と思われる。(3)フィールドでの作業分析は計測機器の設計製作遅れと漁期の関係でできなかった。4.設備備品:(1)FFTアナライザは音声分析に活用しており、今後は作業分析で取得する動張力の解析にも用いる。(2)データレコーダは作業分析のとき、張力、機械回転数、ロープ・網の移動速度などの記録に用いる。5.今後の計画:(1)これまでに取得した労働災害事例を増すため、北海道の未調査地域より資料を得、地域の偏りを減じてFTA解析を行う。(2)刺網漁業もしくは桁曳網漁業での作業分析をおこない、災害要因と考えられる項目を機械と作業者の関わりから分析する。(3)小型漁船騒音のデータを増やす。(4)以上をまとめ印刷する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 見上隆克,五十嵐脩蔵,山下成治: 日本水産学会春期大会. (1987)
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[Publications] 見上隆克,五十嵐脩蔵,山下成治: 日本水産学会誌.
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[Publications] 見上隆克,五十嵐脩蔵,山下成治: 北海道大学水産学部研究彙報.