1986 Fiscal Year Annual Research Report
明治初期・岩倉使節団米欧回覧実記の科学技術史的研究
Project/Area Number |
61460241
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高田 誠二 北海道大学, 理学部, 教授 (10133696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽田野 正隆 北海道大学, 文学部, 助教授 (60013752)
吉田 文和 北海道大学, 経済学部, 助教授 (70113644)
高井 宗宏 北海道大学, 農学部, 助教授 (20001456)
田中 彰 北海道大学, 文学部, 教授 (70000560)
遠藤 一夫 北海道大学, 工学部, 教授 (10001116)
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Keywords | 明治期科学史 / 明治期技術史 / 日本の近代化 / 明治維新 / 文明開化 / 富国強兵 / 文化移転 / 岩倉使節団 |
Research Abstract |
1.基本史料の収集と解析 田中は、展示会「岩倉使節団の米欧回覧」(横浜開港資料館、1986年11月〜1987年1月)に協力して新史料の収集と解析を進め、成果を、同会の記念講演および広報資料に発表した。 2.共通文献『米欧回覧実記』の素材の追跡 吉田は各地の図書館において「回覧」当時の現地新聞を追跡し、米欧関係および万国博関係の貴重な知見を得た。羽田野は、関係諸国の地理の具体的は握に必要な詳細地図の収集を開始した。高田は、佐賀県立博物館で科学史器的素材を探査した。 3,共通文献の科学史・技術史的精査 遠藤は、『実記』所載の技術史事項を米・英・独・仏の各国について順次に抽出し、それらの相関および日本の近代技術への波及効果を分析した。高田は、科学史事項について同様な分析を進め、とくに度量衡の実態とその日本への影響を精査した。高井は、これらの知見を相関的に検索しうるデータベースの方式を検討した。 4.地理学的素材の抽出 羽田野は、「回覧」当時の米・英の都市の状況に関する一般的知見と対比しつつ『実記』所載事項の歴史地理学的な意味を明らかにし、また、同時代の製塩業に関する『実記』記載事項の産業地理学的な考察を進めた。 5.比較文化史的背景のサーベイ 外川継男(北大スラブ研究センター)、北原敦(同・文学部)、秋月俊幸(同・附属図書館)の各氏からそれぞれロシア、イタリア、ロシアの当時の文化史的状況について情報提供を受け、『実記』所載事項の比較文化史的背景に関し有意義な知見を集積した。 6.成果発表 定例研究会における発表討論のほか、田中は近著で本研究の成果の一部を公刊した。なお、1986年11月7日に北海道大学図書刊行会と提携して講演会を開催し、生物学史および近代ロシア文学との交渉について討論する機会をもった。
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Research Products
(1 results)