1988 Fiscal Year Annual Research Report
明治初期・岩倉使節団米欧回覧実記の科学技術史的研究
Project/Area Number |
61460241
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高田 誠二 北海道大学, 理学部, 教授 (10133696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高井 宗宏 北海道大学, 農学部, 助教授 (20001456)
吉田 文和 北海道大学, 経済学部, 助教授 (70113644)
羽田野 正隆 北海道大学, 文学部, 教授 (60013752)
田中 彰 北海道大学, 文学部, 教授 (70000560)
遠藤 一夫 北海道大学, 工学部, 教授 (10001116)
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Keywords | 明治期科学史 / 明治期技術史 / 日本の近代化 / 明治維新 / 文明開化 / 富国強兵 / 文化移転 / 岩倉使節団 |
Research Abstract |
1.科学史事項の分析 高田は、最新の信頼できる科学史年表(湯浅光朝編、1988刊)の所載事項と『米欧回覧実記』所収の自然科学事項との詳細な照合を行い、使節団の自然科学への関心の傾向、科学用語の訳後策定における選好、それらの後代への影響を明らかにした(当研究会での報告、88年5月24日および日本科学史学会への報告、同年6月19日)。 2.技術史事項の悉皆抽出と分類 遠藤、吉田は、『実記』全巻の技術項目訳800件を洩れなく抽出し大項目10、中項目37に分類し、それぞれの見出し語・説明・欧文表記・記載箇所(巻とページ)を作表し、必要により、関連の地名・人名・企業名・機関名等を付記した資料を編集し所見を述べた(当研究会での報告、88年5月24日および日本科学史学会への報告、同年6月19日)。同資料は、その後、各界の専門家の助言のもとに、局所ごとに増補されつつある。 3.固有名詞索引の試作 『実記』全巻のコピーに固有名詞表示記号を付し、それを5人の担当者に配付して各語の現代表記・原地言語での表記・その他の所要事項を記入する作業を進めた。高井は、これらの素材のうちアメリカ、ロシアおよびウィーン万国博覧会の部分をパソコンに出力し、最適と判断される様式によって分類し、資料を集成した。 4.農業技術事項の検討 高井は、『実記』(とくにアメリカ篇)所収の農業技術事項を総括し、回覧当時の農業技術の特色およびそれが日本(とくに北海道)の農業に与えた影響を考察した(報告:7月5日)。 5.文化地理事項の事例検討 羽田野は、『実記』に現れる跳水(フォンテン)の記載を一括検討し噴水史の事例としてのその意義を明らかにした(報告:9月16日)。 6.その他 田中、高田は久米の手稿『物理学』を複写し点検した。
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Research Products
(2 results)