1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480049
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
岩橋 統 琉球大学, 農学部, 助教授 (90128471)
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Keywords | 大量増殖 / レック / 求愛者 / 交尾競争力 / 配偶者選択 |
Research Abstract |
1 大量増殖オスと野生オスにおける求愛音の特性 ウリミバエのオスは葉裏でレックを形成し、ここに飛来したメスに求愛音を発して交尾する。しかし、多くの場合オスがメスにマウントを試みる前にメスはオスから逃亡した。従って、メスはオスの求愛音により配偶者を選択しているものと考えられた。そこで、大量増殖オスと野生オスの求愛音について、基本周波数・基本波音圧レベル・全実効値・全高調波実効率・全高調波歪率・基本波変動幅を調べた。しかし、これらのパラメーターはいずれも同一系統内での固体でもバラツキが大きく、系統間での差は認められなかったことから、メスがこれらの音響パラメートによりオスを識別しているとは考えにくいと思われた。この他、求愛音の休止時間と持続時間のブロック占有率については現在解析中である。 2 大量増殖虫の交尾競争力が低下する原因とその対策 大量増殖虫は狭い空間に異常な高密度で飼育されるため、ここでオスがレックを形成し交尾縄張りを防衛することは不可能である。そのため過密なケージ内では、野外でみられる交尾時のオス間闘争もほとんど生じない。一方、メスはオスがレックを形成しないので、オスを識別することが困難となり、どのオスでも容易に受け入れるようになり、交尾がランダムに起こると考えられる。このように、ケージ内でメスの厳しい配偶者選択を受けない増殖オスが野外で野生メスの配偶者選択を受けてこれと交尾しにくくなるのは当然であろう。 結局、ハエを大量に増殖するためには飼い慣らしは不可欠であるが、これが同時に交尾競争力の低下をも生じることになる。従って、これを防止するためには大量増殖開始後できるだけ短期間に野生虫を根絶することである。
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Research Products
(2 results)