1986 Fiscal Year Annual Research Report
都市住民の健康像に関する人類生態学的研究-稠密居住下での人間・環境系の健康影響-
Project/Area Number |
61480171
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
竹本 泰一郎 長崎大, 医学部, 教授 (60010005)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西原 純 長崎大学, 教育学部, 助教授 (30136626)
兜 真徳 長崎大学, 医学部, 助教授 (00113481)
中根 允文 長崎大学, 医学部, 教授 (80039833)
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Keywords | 都市化 / 人口密度 / 健康指標 / 因子生態研究 / 社会地区 / 精神分裂症 |
Research Abstract |
都市化に伴う主体環境系の地区分化と健康像の変遷について、本年度は、長崎市について1970〜1980年の国勢調査及び人口動態統計を用いて横断的な検討を行い、次のような結果を得た。1)地勢が複雑で山がちな長崎では、地区別人口密度で表現されるよりちょう密な居住環境が存在するが、居住圏の拡大にともなって人口が密度依存的に郊外部に移動し人口密度は平均化の傾向にある。2)人口密度とその他の人口構造や居住環境の指標との相関でみると、長崎市での高密度は地域面積当り住宅数、第三次産業従事者割合、性比と関連していることが明らかである。3)こうした人口構造の地区分化は因子生態的分析に依ると社会経済的特性と深い関係が認められ、因子得点によって社会地区としての類型化が可能である。4)乳児死亡率、死産率、結核り患率などの健康指標と人口密度との関係をみると、子供女性比、死産率など人口再生産に係わっている指標との関連の強いことが示唆される。5)精神分裂症発生率の地区分布からみると、分裂症の発生が地区の環境要因に由来するlife events と関係していることが示唆される。 次年度以降これらについて時系列分析を含めて継続的な分析を行う予定である。
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Research Products
(2 results)