1988 Fiscal Year Annual Research Report
大豆中に存在するバクテロイデス・ジンジバリス由来のコラゲナーゼ阻害剤の精製と性質
Project/Area Number |
61480419
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
中村 亮 徳島大学, 歯学部, 教授 (30034169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 順子 徳島大学, 歯学部, 教務職員 (10170945)
日野出 大輔 徳島大学, 歯学部, 助手 (70189801)
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Keywords | バクテロイデス・ジンジバリス / コラゲナーゼ阻害物質 / 歯周病 / 大豆 |
Research Abstract |
本年度は、歯周病の病原因子と考えられるSH依存性B.gingivalis由来のコラゲナーゼが、ヒト歯肉線維芽細胞の培養系にどのような影響を与えるかを調べ、これに対するヒト大豆から抽出し部分精製したB.gingvalisのコラゲナーゼの活性阻害物質の効果を細胞レベルで調べるとともに、本研究課題の成果の取りまとめを行なった。ヒト歯肉線維芽細胞に対する作用は次のとおりである。 1.B.gingivalis由来のSH依存性コラゲナーゼの部分精製標品はコンフルエントの状態になったヒト歯肉線維芽細胞に対し、強い細胞障害性を示した。 2.大豆から抽出し部分精製したSH依存性B.gingivalisのコラゲナーゼ活性阻害物質は、上記細胞障害に対し、何ら効果を示さなかった。 3.本物質を加熱処理すると、B.gingivalis由来のコラゲナーゼがヒト歯肉線維芽細胞に示す強い細胞傷害に対し抑制効果を示した。 以上の結果より、大豆より抽出部分精製したB.gingivalis由来のSH依存性コラゲナーゼの活性を阻害する物質は、B.gingivalis由来のSH依存性コラゲナーゼの活性を阻害する物質は、B.gingivalisによる歯肉の細胞傷害を予防することにより、その病原性を減弱させる可能性を示唆した。特に、加熱に対し非常に安定で、むしろ効果が増強されるのは、大豆を食品として煮沸加工したほうが効果的であることを示唆している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 友辺芳明,前原玲子,佐藤誠,田中敏之,中村昇二,江口徹,中村正一,中村亮: 口腔衛生学会雑誌. 35. 636-637 (1985)
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[Publications] Nakamura,R.;Maehara,R.;Sato,M.;Tanaka,T.;Nakamura,M.: Journal of Dental Research. 65. 836 (1986)
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[Publications] 日野出大輔,前原玲子,佐藤誠,田中敏之,杉原邦夫,中村亮: 口腔衛生学会雑誌. 37. 534-535 (1987)
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[Publications] Tomobe,Y.;Endo,J.;Hinode,D.;Maehara,R.;Nagata,A.;Shimada.J.;Sato,M.;Nakamura,R.: J.Dent.Health. 37. 630-636 (1987)
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[Publications] Otsuka,M.;Endo,J.;Hinode,D.;Nagata,A.;Maehara,R.;Sato,M.;Nakamura,R.: J.Periodont.Res.22. 491-498 (1987)