1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480444
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
稲井 真弥 阪医大, 医学部, 教授 (90131317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 哲郎 大阪大学, 医学部, 助手 (00174003)
森山 剛 大阪医科大学, 助手 (90182279)
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Keywords | C9欠損症 / RFLP / 遺伝子解析 / サザン・ブロッティング / 構造遺伝子 |
Research Abstract |
1.C9完全欠損症15例およびその家族より採血した血液から血清や末梢白血球を分離し、これらの症例の白血球より高分子DNAを調整した。一部の症例の白血球は、EBウィルスで株化することにより、貴重なDNA材料を持続的に利用できる体制を整えた。 2.被検染色体中のC9構造遺伝子を検出するためのcDNAプローブは、pUC9プラスミッド・ベクターに挿入して、増殖・分離・精製を行った。 3.個々の症例の高分子DNAをEcoR【I】、Bgl【II】、Hind【III】、Pst【I】、BamHIなどの制限酵素で処理し、アガロース・ゲル電気泳動法により切断フラグメントを分離した。これらDNA断片をサザン・ブロッティング法により、ナイロン・メンブレンに転写した。このフィルターとアイソトープで標識したC9cDNAとをハイブリダイズさせ、オートラジオグラフィーによりプローブと相補的な塩基配列をもつDNA断片を検出し、DNA断片の長さの多型性(RFLP法)を検討した。すなわち、C9が正常値を示す健常者のC9遺伝子に比較して、C9完全欠損者のC9遺伝子にはどのような異常が存在するかをRFLP法により検討した。しかしながら、C9欠損症のC9遺伝子には健常者のそれと大きな差異を認めず、C9欠損者のC9構造遺伝子内は大きな塩基の脱落などは生じていないと考えられる結果が得られた。また、C9欠損者の構造遺伝子内の小さな塩基配列の異常を検討する目的で、EcoR【I】とBgl【II】で切断したフラグメントをさらに他の各種制限酸素で切断しRFLPを検討したが、今のところ異常を認めていない。 4.C9に対するモノクローナル抗体を作製したところ、C9a,C9bフラグメントと反応するクローンが得られ、発現ベクターの系に利用できることがわかった。
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