1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61540579
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Research Institution | National Museum of Nature and Science,Tokyo |
Principal Investigator |
藤山 家徳 科博, その他, その他 (40000111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加瀬 友喜 国立科学博物館, 地学研究部古生物第2研究室, 研究官 (20124183)
上野 輝弥 国立科学博物館, 地学研究部古生物第3研究室, 室長 (50060801)
植村 和彦 国立科学博物館, 地学研究部古生物第1研究室, 研究官 (50000138)
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Keywords | 新生代昆虫 / 古植生 |
Research Abstract |
本研究は永年にわたって継続してきた日本の新生代昆虫発達史を、古植生との関係においてまとめることを目的としている。30年前には2〜3か所の産地しか知られず、日本の地質時代の昆虫については全く未知であったが、現在は100に近い産地から相当数の資料が得られている。 今年度は、それら化石含有層につき層位の確認と、既知産地および産出の期待される地層よりの新資料の収集に重点をおいた。6〜7月から12月にかけ半島部を除く北海道各地,東北地方北部,紀伊半島,山口・愛媛県、九州全域について実地調査,資料の探索を行った。その結課、長崎県壱岐、大分県玖珠、熊本県杖立・平国などで多くの化石資料を得、鹿児島県中山・板ノ口などの新産地も発見した。岩手県久慈,山口県黄波戸では旧型の昆虫と第三紀昆虫をむすぶ意味で重要な白亜紀昆虫資料を得ることができた。山口県宇部,北海道頓別では含化石層の層位を確認した。 今年度中には、岐阜県蜂屋層の中新世前期の化石昆虫群を研究したが、同時代の既知の化石昆虫群(佐渡関、福井県糸生)のものと異った内容をもち、蜂屋層は、山間の湖の堆積物ではなく、平地の湖沼周辺の昆虫相を代表するもののようである。この昆虫群の内容は、現在の日本、アジア北部、ヨーロッパのそれに酷似し、熱帯性要素の多い中新世中期、中国西南部〜ヒマラヤに類縁をもつ中新世後期と対照をなしている。
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Research Products
(1 results)