1986 Fiscal Year Annual Research Report
液体衝撃波管によるキャビテーションクラウドの力学に関する基礎的研究
Project/Area Number |
61550127
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤川 重雄 京大, 工学部, 助手 (70111937)
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Keywords | キャビテーションクラウド / 気泡間相互作用 / 気泡の不安定性 / 衝撃圧力 / 衝撃波 |
Research Abstract |
本報告は上記研究課題について、主として、キャビテーションクラウドを構成する気泡群中の2個の気泡の力学の理論的成果を述べたものである。まず、液体中で収縮・膨張する大きさの異なる最初球形および非球形の2個の気泡に対して、気泡同志の相互作用,液体圧縮性,気泡壁の変形及び気泡の並進運動等を考慮して運動方程式を導いた。つぎに、得られた運動方程式を液体衝撃波管により実現できる初期条件の下でコンピューターシュミレーションを行った。得たる結果は以下の通りである。 1.最初球形の2個の気泡の場合:(1)初期半径の小さな気泡は、大きな気泡との相互作用により変形しつつ並進運動を行い、収縮・膨張をくり返すごとにますます変形していく。(2)このような気泡の変形は、気泡の収縮・膨張運動に加えて、それらの並進加速度運動によって引き起される。(3)2個の気泡の適当な初期半径比及び気泡内気体初期圧力の下では、同一条件下の単一気泡の場合よりも高い衝撃的圧力を発生する可能性がある。 2.最初非球形の2個の気泡の場合:崩壊前に気泡の形状が非球形の場合には、初期の変形は気泡の収縮・膨張,並進運動によりさらに増大し、その後の気泡形状は複雑となる。この結果はキャビテーションクラウドの運動を実験的に扱う際に、気泡の初期形状の設定に特に注意を払わなければならないことを示唆している。 3.その他、上記の運動方程式を2個の球形気泡の非線形振動問題に応用してキャビテーションクラウドのノイズに関する貴重な成果を得た。 以上3つの成果は本研究により初めて明らかにされたものであり、理論自体でさらに発展する可能性があるばかりでなく、今後実験を行うにあたって、現象に対する視点の設定の点からもきわめて意義のあるものである。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] S.Fujikawa: Transactions of the American Society of Mechanical Engineers,Journal of Fluid Engineering.
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[Publications] S.Fujikawa: Proceedings of the International Symposium on Cavitation. Vo1.1. 55-60 (1986)
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[Publications] 高比良裕之: 日本機械学会論文集B編. (1987)
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[Publications] 許斐謙二: 日本機械学会関西支部第62期定時総会講演会講演概要集. No.874-2. 116-117 (1987)
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[Publications] 高比良裕之: 日本学術会議キャビテーションに関するシンポジウム(第5回)論文集. (1987)