1986 Fiscal Year Annual Research Report
液一液直接接触熱伝達により蒸発する単一滴の挙動と伝熱特性に関する研究
Project/Area Number |
61550175
|
Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
栩谷 吉郎 金沢工大, 工学部, 助教授 (60139748)
|
Keywords | 直接接触 / 蒸発 / 二相泡 / 直接接触熱伝達 |
Research Abstract |
グリセリン水溶液(動粘度ν=7.25【mm^2】/s,2.17【mm^2】/s)および水(ν=0.65【mm^2】/s)の中に、初期滴径1.6mm〜2.4mmのn-ペンタン滴を1滴ずつ注入し、蒸発する滴の運動とそれへの伝熱特性を調べた。代表温度差は3.1K一定であり、実験レイノルズ数の範囲は20〜7000である。 1.運動特性 (1)蒸発の進行により体積が増加する蒸気泡(二相泡と呼ぶ)のレイノルズ数と抵抗係数との関係が得られた。 (2)二相泡の振動開始レイノルズ数は、ν=7.25,2.17,0.65【mm^2】/sの場合に対しそれぞれ120±20,330±60,1050±3・00が得られた。 2.伝熱特性 (1)初期滴表面積基準の熱通過率κは、上記と同様のνの順に0.5〜0.9,1〜3,1〜3kw/【m^2】Kが得られた。 (2)κによるヌセルト数Nuは、ペクレ数PeによってNu=aP【e^b】(a,bは定数)で表わすことができ、あるPe(【10^4】-2×【10^4】)以上の範囲でのbは、それ以下の範囲でのbより大きくなる。このPeは二相泡の振動開始と関係があるようであり、bが大きくなるのは振動による伝熱促進の結果であると考えられる。
|