1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550222
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
吉川 明彦 千葉大, 工学部, 助教授 (20016603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山賀 重來 千葉大学, 工学部, 助手 (90158080)
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Keywords | 化合物半導体 / 【II】-【VI】族化合物 / セレン化亜鉛 / 青色発光素子 / 有機金属化学気相成長法 / MOCVD |
Research Abstract |
青色発光ダイオード用材料として期待されているセレン化亜鉛(ZnSe)はいわゆる自己補償効果によって、P型伝導の結晶を得るのが難しく、実用化を図るためのpn接合の形成が困難となっている。本研究はジメチル亜鉛とセレン化水素を原料とした減圧MOCVD法という低温結晶成長法を採用し、アクセプタ不純物として窒素を添加することによってP型伝導ZnSe結晶を成長するための指針を得ることを目的としている。本年度は窒素の原料として高純度のアンモニアガスを用い、その添加量と成長温度を変えてZnSe:N薄膜を(100)GuAs上に成長し、その特性を主として極低温領域でのホトルミネッセンスにより評価した結果、次の知見が得られた。 1.成長温度を320°C以下で窒素を添加すると窒素が浅いアクセプター準位となっていることを示すドナー・アクセプタ対からの発光が支配的となり、また、窒素の浅い準位に束縛された励起子からの発光も観測される。 2.上記の発光スペクトルの解析からZnSe中の窒素のアクセプタ準位の活性化エネルギーは100〜115meVとなる。 3.窒素を添加した結晶からは、他の【V】族元素の燐や砒素を添加した時によく見られる深い準位からの発光は観測されず、窒素はP型伝導のZnSeを実現するための最も有望なアクセプター不純物である。 4.しかし、成長温度を高くすると、アンモニアガスの分解が促進され、実効的な窒素添加量が多くなり、いわゆるY発光に関連した新たな欠陥が導入される。 現在得られている結晶は窒素添加後も高抵抗なので、来年度は成長系に紫外線を導入し、いわゆる光励起プロセスによってより低温で高品質の結晶を成長し窒素添加の検討を進める。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 吉川明彦: 材料科学. 22. 268-274 (1986)
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[Publications] A.Yoshikawa: Japanese Journal of Applied Physics. 25. 673-678 (1986)
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[Publications] 吉川明彦: 応用物理学会結晶工学分科会テキスト. 13. 49-58 (1986)
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[Publications] 武藤伸一郎: 電子通信学会デバイス研究会 技術報告. ED86-98. 41-46 (1986)
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[Publications] A.Yoshikawa: Journal of Crystal Growth.