1986 Fiscal Year Annual Research Report
CaO含有溶融スラグと溶鉄との平衡ならびにスラグ成分の活量
Project/Area Number |
61550495
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤澤 敏治 名大, 工学部, 助手 (20115629)
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Keywords | 溶融スラグ / 活量 / 平衡 / カルシウムアルミネート / 高清浄度鋼 / カルシア |
Research Abstract |
高清浄度鋼の精錬に不可欠な取鍋内での脱酸、脱硫において、CaO含有溶融スラグは重要な役割をはたす。一方、高温物理化学の研究におけるボトルネックのひとつに反応容器の問題がある。容器材料による試料の汚染や、反応への影響を避けるため、反応に対して不活性な耐熱材料を得るため苦心されてきた。これに対して、本研究では反応容器としてCaSるつぼを自製し、このCaSを積極的に利用して反応を進行させる手法を用いた。本年度は、溶鉄とカルシウムアルミネート系スラグの平衡関係を測定した。 油圧プレス成型装置(CIP)によりCaSるつぼを静水圧成型し、これを本年度購入した温度調節装置を組み込んだ電気炉を用いて焼成した。得られたCaSるつぼの室温におけるアセトンを用いた浸透テストによれば、成型圧力3,000kgf/【cm^2】、1550℃、24時間の焼成をしたものでは、6時間後においてもアセトンの浸透は認められなかった。 このようにして自製したCaSるつぼを用い、CaO-【Al_2】【O_3】系スラグとFe-Al-S合金との平衡測定を1600℃において行なった。実験後のるつぼの観察結果によれば、若干のスラグの浸透が認められたものの、高温での使用に十分耐えうることがわかった。また、反応保持時間を5時間とすれば、スラグ-メタル間の平衡が達成されれることが確認された。 このように結果はおおむね良好であるが、測定回数がなお不十分であるため、補足実験を62年度にも遂行する予定である。
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