1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550562
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
新明 正弘 北海道大学, 理学部, 助教授 (20000804)
|
Keywords | 高純度シリカ / 含フッ素シリカ / 気相輸送法による結晶育成 / シリカの高温高圧処理 / シリコンオキシフルオライド |
Research Abstract |
本研究代表者はさきにシリカと4フッ化ケイ素との反応によってシリコンへキサフルオロジシロキサン(【S_(i2)】O【F_6】)気体が生成することを見い出し、その熱力的データを決定した。その応用として高圧気柑循環法を利用した高純度石英の合成が示唆された。とくに、反応時に水分が関与する余地のない点、フッ素がシリカ中に入るとそれ自体がそ水性を示す点から、たとえば、光通信用高純度シリカへの利用が考えられる。しかし、熱力学的データから示唆されるように気相輸送によるシリカ折出に直接関与するシリコンフルオライドの濃度は小さく、その濃度を大きくするためには高圧条件が必要とされる。予備実験として肉厚石英管中にシリカ源として種々の状態のシリカ粉末を入れ、10〜13気圧に相当する(加熱時)Si【F_4】気体を封入し、高温部900℃,低温部450℃で10日間保持して結晶成長の様子を観察した。なお、電気炉の温度勾配および反応容器の配置は計算機シュミレーションの結果にもとづいて決定した。実験は原料としてのシリカ3種と気相圧10気圧,13気圧の組合わせで6種行った。その結果はいずれの場合も石英の生成は遅く、かつ、得られた物質は含フッ素の非晶質シリカ膜であった。これは当初の予測と異ったものであるが含フッ素のシリカ合成という点でひとつの成果となった。次いで更なる高圧条件を設定すべく金管中に含フッ素非晶質シリカを封入、700℃で100〜1000気圧に約230時間保持したところ30.2mm程度の径の石英結晶の成長が認められた。この場合、石英中にはフッ素の含有は認められず共存する非晶質層中にフッ素の濃縮が認められた。このことはフッ素の排除が石英結晶成長の必要条件となっていることを意味し、興味ある研究課題となった。これらの成果の一部は昭和61年の高圧討論会に発表された他、論文としての発表を準備中である。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] M.Shinmei: J.Chem.Thermodynamics. 18. 241-246 (1986)
-
[Publications] M.Shinmei: Proc.6th World Cong.High Tech.Ceramics(1986).
-
[Publications] T.Tsukada: Fourth International Workshop on Glasses and Glass-Ceramics from Gels(Kyoto,1987).