1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61560005
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中村 千春 神戸大学, 農学部, 助手 (10144601)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 一 神戸大学, 農学部, 教授 (40031166)
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Keywords | 植物培養組織 / 細胞増殖 / 細胞分化 / 形態形成 / 核と細胞内小器官 / 植物ホルモン / オーキシン / オーキシン受容体 |
Research Abstract |
1.従属栄養株の呼吸機能:従属栄養タバコ懸濁培養株を用いて細胞および分離ミトコンドリア呼吸を解析した。呼吸は細胞増殖サイクルに連動した活性変化を示し、増殖中期にそのピークに達したが、この時チトクローム鎖の活性が最大となった。脱共役剤による実験からチトクローム鎖はアデニル酸による制御を強く受けていることが明らかとなった。一方、シアン耐性鎖の活性は細胞の全増殖サイクルを通じて一定であり呼吸の変動が主としてチトクローム鎖の活性変動によることが示された。更に、培地の糖成分・濃度を変えてもシアン耐性鎖の稼動率に変化が見られなかったとこから、基質以外にもシアン耐性鎖の稼動を制御する要因の存在することが示唆された。 2.光混合栄養株の光合成機能:タバコ光混合栄養株を暗条件から明条件へ移し、分離葉緑体の光合成能(電子伝達系の活性)とタンパク質について解析した。明条件下で光システムIIの活性とRubisco大サブユニットの含量が時間と共に増加したが、光システムIの活性・小サブユニットには変化が認められなかった。この他にも、光誘導を受ける数種のタンパク質分子種の存在が認められた。 3.膜結合型オーキシン受容体(MABP)と根の形態形成:タバコの葉片を2、4-Dを含む培地に移植すると根様組織(RLT)が誘導される。この時、MABP活性が一時的に増加し根に特異的なパーオキシダーゼ(RSP)が出現する。更に、RLTを2、4-Dを欠いた培地に移植すると根毛を持った完全な根が分化するが、この時MABP・RSP両活性共に大きく増加した。一方、サイトカイニンを加えてカルス増殖・茎葉分化を誘導するRSP活性は減少・消失したがMABP活性は増加した。MABPはRSPを介して根の形態形成に関与するが、同時に茎葉分化・カルス増殖にも一定の役割を担っていることが示唆される。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nakamura,C.;H.Ono.: Plant Physiology. 88. 685-689 (1988)
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[Publications] Nakamura,C.,et al.: Plant Physiology. 88. 845-849 (1988)
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[Publications] Nagai.T.,et al.: Plant Cell Physiology. 30. 17-23 (1989)
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[Publications] Nakamura,C.,et al.: Plant Physiology.
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[Publications] Mennes,A.M.,et al.: "Proc NASI,Plant Hormone Receptors" Springer-Verlag,(1989)
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[Publications] Van Telgen,H.-J.,et al.: "Proc NASI,Plant Hormone Receptors" Springer-Verlag,(1989)