1986 Fiscal Year Annual Research Report
ニンニクとアスパラガス無病株の育成・増殖と収穫までの作業体系の確立に関する研究
Project/Area Number |
61560034
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松原 幸子 岡山大, 農学部, 教授 (90026378)
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Keywords | ウィルスフリー株の育成 / 増殖 / 順化 / 組織培養 / 発根培地 / 休眠 / えき芽培養 / 生長点培養 |
Research Abstract |
ニンニクとアスパラガスのウィルスフリー株の育成および順化のための種々の条件を検討した。特にニンニクについては供試材料の休眠について、アスパラガスでは発根促進培地についても検討した。その結果明らかになった点について述べる。ニンニク:1.休眠;子球の休眠程度を植付け後の発芽率と、到発芽日数でみたところ、5月堀上げ時から2月間は深い休眠状態にあり、その後徐々に休眠が浅くなり9月中旬には完全に打破された。生長点を切り出して培地に植付けると、発芽までの日数はどの時期でもほとんど変らず10日前後であったが、ほう芽率は収穫直後から徐々に低下し8月上旬最低となり、9月中旬には100%となって生長点植付けでも9月中旬以降が適していることが明らかとなった。2:培地;ムラシゲ・スクーグ培地に0.8%寒天,3%しょ糖を添加した基本培地に種々の濃度のNAAとBAを添加して生長の最適培地をみたところ、0.01mg/l NAAとBA添加培地で最もよい生育がみられた。3:順化培土;試験管からとり出し鉢に植付けるための順化用培土として、砂.バーミキュライト.ロックウールを検討した。夏季高温時はいずれの培土でも生存率が低く、秋〜春にかけての冷凍期には、室温でいずれの培土でも生存率が高かった。しかし定植がかんたんで植痛みが少い点から、ロックウールが最適培土であった。 アスパラガス:1.培地;地上部の生長はムラシゲ・スクーグ培地に0.8%寒天,3%しょ糖,0.01mg/l NAAとBA添加培地で最もよかった。えき芽培養を実用化に移した時、一番問題になるのは発根培地である。そこで種々の発根促進処理をくり返したところ、継代1月後の小植物体の基部にルートで処理をしてホルモン無添加の基本培地に移植すると、最も発根率が高かった。2.材料の性と令;♀は老化が早く、生長点は伸長が早いが、発根せず、基部側のえき芽がよく発根した。
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