1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61560312
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
園田 立信 宮崎大, 農学部, 助教授 (00040866)
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Keywords | ニューロン活動 / シングルユニット / 摂食行動 / 神経行動学 / 鶏 / 中枢神経系 / 視床下部 / 神経活動 |
Research Abstract |
中枢神経系の機能をin vitroで探る研究は多いが、ニューロン活動を行動と結びつけて、高等動物での行動発現のメカニズムを追究する研究は少ない。鶏における摂食行動をこの視点で追究した研究は見当らない。本研究は、鶏の成長を制御する研究の前段階として、自由に摂食行動している鶏の視床下部外側野(摂食中枢)のニューロン活動を明らかにするものである。方法としては、30μの白金イリジウムワイヤを5本束ねて視床下部外側野に慢性的に植え込み、FETで基線の揺れを防いでおいて、単一ニューロン活動single unitを観察し記録した。なお、鶏の摂食行動では、peckが数回連続し、そのboutが繰り返されてmealとなっている。 視床下部外側野でのニューロン活動の特徴は、多数のスパイクが短時間に集中して発火するburstの出現であった。雄と雌ではニューロン活動が変動する様相が異っていた。雄では2種類のtonic型に分けられ、meal時に活動が亢進するE型(52%)と逆に減退するI型(48%)に分かれた。E型ではboutまたはpeckとの関連でburstが多発するphasicな変動も認められ、4型に細分類された。即ち、burstの多発がboutの開始時(E1型),同終了時(E2型),同開始時及び終了時(E3型)に見られ、またpeck直前にburstが出るもの(E4型)もあった。このようなphasicな変動は感覚ニューロンの典型的活動様式と類似しているので、boutやpeckに関わる感覚情報が入力されているものと推測できる。しかし、mealの開始終了に関わる変動はまだ認められていない。後者のI型では特に探索行動時にburstが多発した。一方、雌では、burstが摂食行動時だけでなく探索行動時にも出現するEI型が多かった(87%)。このようなニューロン活動の性差は摂食行動様式の性差と関連するものであろう。今後は、行動学的解析と生理的調節要因及び消化器活動との関連を明確にする必要があろう。
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[Publications] 谷川雅俊,園田立信,他: 西日本畜産学会講演要旨集(第37回). 28 (1986)
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[Publications] 谷川雅俊,園田立信,他: 第79回日本畜産学会大会講演要旨. (1987)
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[Publications] SONODA,T;TANIGAWA,M: Physiology and Behavior. (1987)