1986 Fiscal Year Annual Research Report
発熱物質に対するモノクローナル抗体の作製とそれによる発熱物質の脳内侵入路の検討
Project/Area Number |
61570086
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
森本 昭生 山口大, 医学部, 助手 (70127794)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 義行 山口大学, 医学部, 助手 (10034927)
村上 悳 山口大学, 医学部, 教授 (90040518)
|
Keywords | Fever / Interleukin-1 / Monoclonal antibody / Blood-brain barrier |
Research Abstract |
本年度は、内因性発熱物質(EP/IL-1)に対するモノクローナル抗体の作成に着手した。家兎の白血球より作製したEP/IL-1を限外濾過法によって部分精製を行い、このEP/IL-1にて(1)マウスの免疫、(2)脾臓細胞とミエローマ細胞の融合と培養、(3)抗体スクリーニング、(4)抗体生産ハイブリドーマのクローニングといった4段階の手順を試み、その方法を習熟した。これらによりEP/IL-1のモノクローナル抗体を得たが、EP/IL-1の部分精製が厳密でなかったため、幾種類ものモノクローナル抗体が得られた。しかし近年、発熱物質はEP/IL-1に限らず、インターフエロンやTNFといったサイトカインも発熱を引き起こすことが知られてきており、かえって興味深い結果が得られる可能性がある。一方、本年度に購入したセルハーベスターによりLAF活性の測定法を習熟し、得られたEP/IL-1のLAF活性や、上記抗体による吸収を行い、LAF活性の抑制作用を観察している。さらに、EP/IL-1による発熱発現には脳血液関門(BBB)を境にして、内側と外側に異った、少なくとも2つ以上のメカニズムが存在していることを明らかにした。つまり発熱の第1相目はEP/IL-1がBBBの外側に作用して引き起こされ、第2相目はBBBの内側に作用して引き起こされることが分った。特に第2相目の発熱はEP/IL-1がorganum vasculosum laminaeterminalis(OVLT)の付近に作用して生じることが分り、作製したEP/IL-1モノクローナル抗体にて、EP/IL-1の侵入経路あるいは産生部位の検討を行っている。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Morimoto,A.: Am.J.Physiol.250. R776-R782 (1986)
-
[Publications] Morimoto,A.: Brain Res.181. 100-105 (1986)
-
[Publications] Morimoto,A.: J.Appl.Physiol.61. 2060-2066 (1986)
-
[Publications] Morimoto,A.: J.Physiol.383. (1987)