1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570220
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
桜井 純 徳島文理大, 薬学部, 教授 (80029800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永浜 政博 徳島文理大学, 薬学部, 助手 (40164462)
小林 敬子 徳島文理大学, 薬学部, 助手 (90170315)
藤井 儀夫 徳島文理大学, 薬学部, 助手 (60122587)
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Keywords | ウェルシュ菌α毒素 / 血管収縮 / 血小板凝集 / 【Ca^(2+)】 / リン脂質代謝 / アラキドン酸カスケード |
Research Abstract |
ウェルシュ菌α毒素は、血管平滑筋収縮を誘導するが、このとき、作用発現には【Ca^(2+)】取り込みが必須であることをすでに明らかにしている。一方、本毒素がホスホリパーゼC活性を有することも知られているので、本研究において、リン脂質代謝、そして、それに関連して、アラキドン酸カスケードについても検討した。その結果、摘出血管を毒素処理すると、ホスファチジルイノシトールとホスファチジン酸のdenovoの合成が誘導されること、さらに、アラキドン酸合成が亢進されることが判明した。一方、本毒素作用は、アラキドン酸カスケードのKey enzyme、すなわち、サイクロオキシゲナーゼの阻害剤,インドメタシン,アスピリン,ゾメピラックナトリウムによって、さらには、トロンボキサン合成阻害剤、OKY-046、そして、トロンボキサン拮抗剤、ONO-3708によって阻害されることも明らかとなった。以上の結果から、本毒素によってホスファチジルイノシトール(PI)代謝回転が活性化され、それに関連して、アラキドン酸合成が亢進し、次に、アラキドン酸カスケードが活性化されて、トロンボキサン【A_2】合成が誘導され、血管収縮がおこる系が推察される。 本毒素による血小板凝集も、基本的には、血管収縮の場合と同様、本毒素によって、PI代謝回転 亢進,【Ca^(2+)】取り込み 促進が必須のステップであることが判明したが、毒素によってアラキドン酸カスケードの活性化はひきおこされないので、血小板凝集因子(PAF)等の合成促進が関係している可能性が推察される。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yoshio,Fujii;Shigemasa,Nomura;Yoshitami,Oshita;Jun,Sakurai: Br.J.Pharmac.88. 531-539 (1986)
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[Publications] K.Yamamoto;Y.Ichinose;N.Nakasone;M.Tanabe;M.Nagahama;J.Sakurai;M.Iwanaga: Infection and Immunity. 51. 927-931 (1986)
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[Publications] Jun,Sakurai;Masahiro,Nagahama: Microbial Pathogenesis. 1. 417-423 (1986)
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[Publications] Jun,Sakurai;Masahiro,Nagahama: FEMS Microbiology Letters.
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[Publications] Jun Sakurai;Masahiro,Nagahama: Toxicon.
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[Publications] 鈴木益子,櫻井純 他: "微生物学" 朝倉書店(株),