1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570375
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松葉 健一 九大, 医学部, 講師 (20150534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広瀬 宣之 九州大学, 医学部, 助手 (50173282)
池田 東吾 九州大学, 医学部, 助手 (50038725)
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Keywords | 細気管支 / 慢性閉塞性肺疾患 / 呼吸細気管支 / 形態と機能 |
Research Abstract |
肺機能検査で頻用される一秒量と末梢気道の形態との関連は未だ明らかでない。そこで、一秒量が正常な症例の末梢気道における形態計測学的特徴を明らかにする目的で、次のような検討を行った。対象は、関連施設における肺切例のうち、術前の肺機能検査で一秒量が予測値の75%以上の症例である。これ迄と同じ方法で内径2mm未満のMembranous B1.(MB),Respiratory Br.(RB)につきその数・病変の程度を半定量的に検討し、以下のような成績を得た。末梢気道における病変は、MBより早くRBに炎症性の変化として始まり、次第にFibiousになっていく。しかし、この時期の病変を肺機能学的に検出する事は困難なようである。今後、Fibiousな変化・壁の肥厚・末梢気道のNarrowingおよび、Airflow Limitation等の関連につき明かにする予定である。もう一つのテーマである米国NIHのIPPB Trialの剖検肺については以下のように実施中である。現在の肺気腫の定義では"肺胞壁の破壊と過伸展に伴う気腔の拡大"との鑑別に困難なことがあるので、Destructive Index[DI](1985:Saettaら)を用いて両者の鑑別を試み、肺気腫の再評価を行った。対象はNIHのIPPB治療中に死亡した37名のCOPD患者の剖検肺である。原法に従ってDIを算出したのち、従来の方法で評価された肺気腫の成績と対比し次のような成績を得た。(1)DIはPaper ScoreとはS状カーブ、LmとはLmが0.5mm以下の所で上に凸の曲線を呈し、それぞれ有意の相関を示した。(2)【SA_5】とは負 TICとは正の有意の相関を示した。(3)末梢気道病変、(4)肺機能との相関については検討中である。以上より、DIは肺胞壁の破壊が気腔の拡大より早い事 および従来剖検肺の肉眼所見でなされていた肺気腫の評価が顕微鏡的にも可能なことを示唆し、今後、肺気腫の定義自体に大きな影響を与えるものと思われる。
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Research Products
(1 results)