1986 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類胎仔の顔面形態形成における oncogeneの発現
Project/Area Number |
61570878
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
江藤 一洋 医科歯科大, 歯学部, 教授 (30014161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土田 信夫 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (60089951)
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Keywords | 顔面形態形成 / oncogene / in situ hybridization |
Research Abstract |
顔面の形態形成における、種々のoncogeneの発現を発生段階ごとに詳細に観察するために、oncogeneをプローブとして用いる mRNAのin situ hybrid-igation法の技術を確立して、細胞の増殖,分化,細胞死とoncogeneとの関連について解析を行なうことを目的として実験を行なった。 61年度は、当初計画した各種v-onc及びc-oncのDNA断片の分離精製を完了し、このうち、H-ras,fos,mosについて、【^(32)P】で標識したDNA断片をプローブとして、ラットの胎仔,胎盤の組織切片に対してin situ hybridizationを行ない、c-onc mRNAの各組織内での発現を検討した。その結果が、すでに発現が判明している胎盤でのfosの発現が観察されたが、各プローブに共通して胎仔膜等への非特異的吸着が見られた。hybridizeしていないプローブを除去する種々の条件を検討したが、満足な結果は得られなかった。したがってプローブの組織への非特異的吸着を如何に軽減するかが最大のポイントになると考えられる。 そこでmRNA(正鎖)と相補的なRNA(逆鎖)をin vitroで合成し、プローブとして用いることにした。この方法は(1)mRNAとhybridizeしないプローブをRNA分解酵素で除去でき、backgroundの軽減に役立つと考えられること。(2)正鎖をプローブとして用いた場合、hybridizeせずnegative controlとして特異的結合を検証できる等の利点がある。このため精製したoncogeneDNA断片のうち、K-ras,fos,mos,myc,sisについては、標識RNAをin vitroで標識可能なベクター(pGE,M3,4)への組込みを完了した。 今後、これらのベクターより合成した【^(35)S】標識RNAをプローブとして、マウス胎仔、胎盤の組識切片に対するin situ hybridizationを行ない、種々の条件を検討し、in situ hybridizationの最適条件を確立するとともに発生段階におけるoncogeneの発現を解析する予定である。
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