1986 Fiscal Year Annual Research Report
脂質分解酵素リパーゼによる皮脂よごれの洗浄に関する研究
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61580069
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
藤井 富美子 阪市大, 生活科学部, 助教授 (40047056)
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Keywords | リパーゼ / ドデシル硫酸ナトリウム / 複合体 / 可溶化 / スクワラン / 洗浄 |
Research Abstract |
著者は、これまで、皮脂よごれの主成分であるトリグリセリドの洗浄に脂質分解酵素リパーゼを適用すると、リパーゼはトリグリセリドを段階的にジグリセリド,モノグリセリド,および、遊離脂肪酸に加水分解し、界面活性剤による除去を容易にすることを明らかにしてきた。しかし、リパーゼが界面活性剤と共存するとき、リパーゼは界面活性剤と相互作用し、溶液物性に種々の変化を生ずる。 そこで、61年度では、リパーゼと界面活性剤(SDS)との混合水溶液の電気伝導度,吸着等温線,表面張力,および、油溶性染料yellow OBの可溶化などの溶液物性を測定し、リパーゼと界面活性剤との相互作用による複合体の形成を明らかにするとともに、この複合体がリパーゼの加水分解作用の関与しない炭化水素(スクワラン)よごれの除去に及ぼす効果を検討した。SDSはリパーゼのタンパクと相互作用して、SDS単一水溶液のcmcよりも低濃度で表面張力は、一亘、一定となり、また、この濃度でリパーゼへのSDSの吸着はこの濃度で生ずることなどより、リパーゼ・SDS複合体(クラスター)の形成が明らかになった。さらに、SDS濃度が増加すると、このクラスターとfreeのSDSとの間で疎水領域に基づくSpeciesが形成され、疎水領域内にyellow OBが可溶化される。この可溶化現象はリパーゼの加水分解の基質でないスクワランよごれの除去に寄与することが明らかになった。 62年度では、リパーゼの加水分解作用をうけるトリグリセリドよごれについて、リパーゼ・界面活性剤複合系におけるリパーゼの加水分解作用と複合体による可溶化の効果を検討する。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Takako Hashimoto: J.Jpn.Oil Chem.Soc.35. 293-299 (1986)
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[Publications] Tokuzo Kawase: Chem.Express. 1. 483-486 (1986)
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[Publications] 金 月仙: 油化学. 36. (1987)
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[Publications] 藤井富美子: 油化学.