1987 Fiscal Year Annual Research Report
リボヌクレアーゼの立体構造と活性の相関の進化論的研究
Project/Area Number |
61580131
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 和郎 東京大学, 薬学部, 助手 (00012675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 昌親 星薬科大学, 教授 (70061265)
三井 幸雄 東京大学, 薬学部, 助手 (40012637)
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Keywords | リボヌクレアーゼ / 酵素 / 蛋白質工学 / 立体構造 / X線解析 / 一次構造 |
Research Abstract |
1)昨年度の実績報告書にも記したように, リボヌクレアーゼRhの結晶化は成功し, 今年度は本格的な結晶構造解析を目指して, 回折強度データの収集を開始し, Native結晶の非常に良好な回折データ(Rsym<2%)を得ることができた. 2)引続き, 重原子同型置換体の探索を開始し, 多数の試薬溶液に浸漬した後, 回折実験を行った結果, 3種類の試薬が有効な重原子同型置換体を与え得ることを発見した. その中の2つK_2Pt(SCN)4, K_2PtCl_4置換体の回折データを, 4軸自動回折系を用いて収集することができた. これらのデータとNativeデータとの差のパターソン関数を計算して, 解析のキーポイントとなる重原子の位置の決定を試みた. 3)その結果, 前者の置換体について, その解釈が現在成功しつつあり, 最小2乗法による位置の精密化を開始し, 良好な結果が得られつつある. もう一つの置換体の重原子位置の決定ができるか, 異常分散効果を利用すると, 電子密度図を得ることができ, 立体構造の決定につながっていく. 4)Rhの一次構造は, 入江らによって, 従来法と遺伝子工学的手法をあわせることによって, 完全に決定された. その結果から, RNase T_2やMとのホモロジーは高く(T_2とは65%の相同性あり), また10個存在するCys残基はすべて保存されており, さらにHis46とHis109(活性に関与されているとされている)も保存されている. これらより, Rhの構造は, これらグループの代表となるものであり, 構造決定の重要性はさらに増したといえる. また, Site directed Mutagenesisによる酵素も使った, X線解析も, このリボヌクレアーゼRhに対して行えるようになった.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 中村和郎: 日本結晶学会誌. 30. NO2 (1988)
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[Publications] H. Horiuchi, M. Irie, et al.: J.Biochem (Tokyo). (1988)
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[Publications] T.Nonaka, K.Nakamura, Y.Mitsui, M.Irie et al.: J.Mol.Biol.(1988)
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[Publications] 中村和郎,飯高洋一: "結晶の分子科学入門 第5章第3節" 講談社サイエンティフィク, 236 (1988)