1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61580218
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊庭 英夫 東大, 理学部, 助教授 (60111449)
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Keywords | 細胞周期 / 線維芽細胞 / アンチセンスRNA / マイクロインジェクション / 増殖因子 |
Research Abstract |
本年度は、先に提出した実施計画に従い以下の実績をあげた。 1.ラット線維芽細胞(3Y1)にFBJ-MSVのプロウィルス構造を含むDNAをトランスフェクション法で導入、v-fosを発現してトランスフォームした細胞株を4株(J6,J11,J21,J22)を単離した。これらは軟寒天中でコロニーを形成し、同系ラットに対して造腫しょう性を有した。今後の実験にはもっともトランスフォーメーションの程度が著しいJ6を使用した。 2.SP6のプロモーターの制御下に種々のv-fos配列領域をアンチセンスの方向で導入したプラスミドを10数種類作製し、in vitroでこれをSP6RNAポリメラーゼを使って転写させる事により、多量のアンチセンスRNAを得た。一部のアンチセンスRNAは、安定化をはかるため、3'末端にポリAをもつよう、鋳型プラスミドに工夫を加えた。 3.マイクロインジェクション法(特にプリッキング法)を使用して、J-6の中に培地中の物質を導入する為の諸条件を検討した。西洋ワサビのパーオキシダーゼとDABによる染色により導入効率をチェックした所、連続して100個以上の細胞に安定して導入することが可能となった。 4.効果のあるv-fosアンチセンスRNAが紡錐型のJ6細胞に導入された場合、一過的にこの細胞を平板な正常細胞様の形態へと変化させることが期待される。現在これを指標に種々のアンチセンスRNAの力価を検索中である。
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[Publications] J.B.Levy: Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.83. 4228-4232 (1986)
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[Publications] 加藤順也: Mol.Cell.Biology. 6. (1986)
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[Publications] R.Jove: J.Virsl.60. 840-848 (1986)
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[Publications] R.Jove: J.Virsl.60. 849-857 (1986)