1988 Fiscal Year Annual Research Report
百日咳毒素(IAP)の医薬および診断薬への開発のための基磯研究
Project/Area Number |
61870093
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
徳光 幸子 北海道大学, 薬学部, 助教授 (60001046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇井 理生 東京大学, 薬学部, 教授 (50001037)
鎌滝 哲也 北海道大学, 薬学部, 教授 (00009177)
村山 俊彦 北海道大学, 薬学部, 助手 (90174317)
岡田 文彦 北海道大学, 保健管理センター, 助教授 (40109517)
野村 靖幸 北海道大学, 薬学部, 教授 (00034041)
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Keywords | IAP / GTP結合蛋白質 / c-myc / 肝細胞 / アデニル酸シクラーゼ血小板トロンビン / ホスホリパーゼA_2 / セロトニン受容体 |
Research Abstract |
(1)ラット肝細胞を培養するとEGFとインシュリンに応答するDNA合成の促進が観察され細胞は増殖する。IAPを培養開始時に添加すると、DNA合成は抑制され細胞増殖は抑えられる。培養数時間後にIAPを添加してもIAPの作用は発現しない。以上の現象の機構として培養の極めて早いG_0→G_1期にc-myc mRNAが増加しIAPがc-myc生成を抑制することにより、DNA合成が減少すると推定した。さらにc-myc mRNA量生成増加の過程にIAP感受性のGTP結合蛋白質の介在が示された。(2)NIH3T3^<v-src>細胞はチロシンキナーゼ活性を有するが、β受容体を介したアデニル酸シクラーゼ活性が著しく低下していることを見い出した。この原因として【○!a】β受容体の数が減少、【○!2】IAP基質であるG_i蛋白質は変化しておらずG_s蛋白質がリン酸化され、その結果β受容体とG_sとの脱共役…によると決論した。(3)血液凝固に深く関与する血小枝の活性化アゴニストには、トロンビン、ノルエピネフリンがあるが、これらアゴニストの刺激によってホスホリパーゼA_2の活性化に伴うアラキドン酸の遊離が起る。この遊離反応にはIAPによって抑制されるGTP結合蛋白質が介在している可能性を見い出した。(4)ラットの脳室内にIAPを注入すると、ラットは攻撃状態となる。この時のラットの脳海馬を取り出し、膜アデニル酸シクラーゼの活性のセロトニンIAアゴニストによる抑制を調べた結果減弱していることが分った。以上のことはセロトニンIA受容体を介するアデニル酸シクラーゼの抑制にはG_i、G_o蛋白質が介在し、攻撃的な状態の発現にも海馬のG_i、G_o蛋白質が関与している可能性が示唆された。(5)3T3L_1細胞はインシュリン、デキサメサゾン存在下で培養すると脂肪細胞へと分化する。予めIAPを添加して培養すると、βアドレナリン受容体を介したアデニル酸シクラーゼ活性が低下していることが認められfos誘導時における抑制が推定された。
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[Publications] Yukako Fujinaga: FEBS Lett. 244. (1989)
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[Publications] Fumihiko Okada: J.Neurochem.
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[Publications] Yoshihisa Kitamura: J.Neurochem.
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[Publications] Shirakura Shiro: Biochim.Biophys.Acta.
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[Publications] Lisa Konishi: Biochem.Biophys.Res.Commur.153. 1214-1222 (1988)
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[Publications] Fumihiko Okada: J.Neurochem.51. 194-199 (1988)