1988 Fiscal Year Annual Research Report
脳内生理活性物質定量化のための多機能バイオセンサーの試作とそのシステム化
Project/Area Number |
61870102
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
清水 宣明 九州大学, 医学部, 講師 (50019634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 満雄 三菱電機, 中央研究所, 主幹
松尾 正之 東北大学, 名誉教授 (50005170)
山添 昇 九州大学, 総合理工学研究科, 教授 (40037817)
赤池 紀生 九州大学, 医学部, 助教授 (30040182)
大村 裕 九州大学, 名誉教授 (30019517)
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Keywords | ボルタメトリー法 / セロトニン / 慢性ニューロン活動記録 / 視床下部外側野 / ラット / 摂食行動 / バイオセンサー |
Research Abstract |
ヒトを含めた動物は、大脳の活動によってある特定の行動を発現する。この場合内因性の生理活性物質が神経伝達物質として、あるいは神経伝達修飾物質として特定の神経回路に作用することによって行われている。本研究は大脳特定部位の伝達物質および神経ペプチドの動的消長を定量する、多機能バイオセンサーを開発することを目的とした。大脳視床下部には摂食行動に伴って変化する体液性の内因性化学物質に感受性を有する化学受容ニューロンが存在し、これらのニューロンを中心として神経回路網によって摂食行動などの高次機能調節が営まれることが明らかになってきた。これら化学受容ニューロンに対する各種内因性物質の作用が明らかになりつつあるが、セロトニン系の役割については不明の点が多い。本研究ではカーボンファイバーを作用電極としてin vivoボルタメトリー法を用いセロトニン代謝産物である5ーhydroxy-indole-3-acetic acidを測定した。さらに慢性ニューロン活動記録用の白金イリジウム線5本をカーボンファイバー作用電極と一体化し、これをラット視床下部外側部(LHA)に慢性的に刺入固定し、LHAにおけるセロトニン放出、ニューロン活動および摂食行動の関係を解析し、同センターの性能を評価した。同時記録を行った30個のニューロン中、セロトニン放出の増加に同期して12個(40%)が活動高進、7個が活動抑制、11個が活動が不変であった。以上カーボンファイバー電極を用いた生体内ボルタメトリー法は慢性記録電極との一体化による慢性動物単一ニューロン活動記録および周辺の神経伝達物質濃度の変化と行動の解析に十分応用できる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kai,Y.: J.Neurophysiol.60. 524-535 (1988)
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[Publications] Kai,Y.: Brain Res.461. 107-117 (1988)
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[Publications] Jiang,L.H.: J.Neurophysiol.60. 536-548 (1988)
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[Publications] Hanai,K.: Am.J.Physiol.256. 217-223 (1989)