1986 Fiscal Year Annual Research Report
要求フレームに基づくソフトウェア仕様定義環境の構築
Project/Area Number |
61880006
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大野 豊 京大, 工学部, 教授 (60026185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鯵坂 恒夫 京都大学, 工学部, 助手 (30175864)
大西 淳 京都大学, 大型計算機センター, 助手 (50160560)
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Keywords | 要求仕様定義 / ソフトウェア仕様定義 / 高品質ソフトウェア設計 / ソフトウェア開発 / ソフトウェア生産性 / ソフトウェア工学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、非あいまい性・完全性・テストおよび検証可能性・一貫性・変更容易性・追随性・保守容易性,並びに理解容易性といった特性を備えた高品質の要求仕様の作成を支援することであり、これにより高品質なソフトウェアの生産性を向上させることを目標とする。 2年間にわたる研究の初年度においては、要求仕様の枠組となる要求フレームの設計と評価、ならびに要求フレームに基づく日本語要求記述言語の開発を行った。要求フレームには、要求文と要求文間の関係によって構成される枠組と、名詞や動詞といった要求文の構成要素と構成要素間の関係によって与えられる枠組の二種類に分けられる。前者を機能フレーム、後者を格フレームと名付けたが、具体的には、機能フレームには、「データ生成」,「データ処理」,「データ入力/出力」,「ファイル処理」等10ケのフレームがあり、格フレームには、「データの流れ」,「制御の流れ」,「データ/機能の構造」,「データ/ファイル処理」等17種類のフレームを用意した。 日本語要求記述言語の開発に際しては、特に要求記述の対象分野をファイルの処理に限定し、6種の名詞の型・7種の格で十分記述できることが明らかになった。名詞の型には「人間型」,「機能型」,「装置型」,「ファイル型」,「データ型」,「制御型」を、格には「動作主格」,「目標格」,「動具格」,「検索キー格」,「目的格」,「操作格」,「源泉格」を用意している。記述対象としては、名刺管理システム,酒屋販売在庫管理システム等を採り上げて、我々の言語で記述が十分可能であることを確認した。 現在は、プロトタイピング支援系などソフトウェア仕様定義環境の構成要素となるツールを作成中であり、今後は、これらのツール群の開発,保守及び統合化が行なわれる予定である。又、ユーザインタフェースを向上させるための図形言語も検討している。
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Research Products
(2 results)