1987 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージ活性化因子とその制癌への応用に関する実験的研究
Project/Area Number |
62010015
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大沢 利昭 東京大学, 薬学部, 教授 (40012603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽根 三郎 徳島大学, 医学部, 講師 (40145024)
深沢 義村 山梨医科大学, 教授 (10087760)
徳永 徹 国立予防衛生研究所, 部長 (40072863)
橋本 達一郎 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (90015975)
川出 由巳 京都大学, ウィルス研, 教授 (50027306)
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Keywords | マクロファージ活性化因子 / ヒトT細胞ハイブリドーマ / ヒトマクロファージハイブリドーマ / ガンマインターフェロン / リボゾーム / 単クローン性抗体 |
Research Abstract |
1.ヒトT細胞ハイブリドーマH3ーE9ー6より得られるマクロファージ活性化因子のうち, プライミングシグナルをあたえる因子MAFーCIについて, その精製法を確立した. 今後大量培養により大量の培養上清を得て, 一部アミノ酸配列の決定, cDNAのクローニング, 完全な構造解明への基礎ができた. 2.H3ーE9ー6から得られるマクロファージ活性化因子のうち, トリガリングングナルをあたえる因子MAFーCIIについても精製法を確立し, アラニンをN末端とする低分子ペプチドであることをたしかめた. 完全な構造研究を近く完成させる. 3.部分精製したMAFーCIIと, マウスγーインターフェロンを封入したりポゾーム表面に, ヒトメラノーマ細胞A375に対する単クローン性抗体を結合させた免疫リポゾームをつくり, A375細胞を接種したヌードマウスに全身投与したところ, MAFーCIIとマウスγーインターフェロンの溶液を静脈内注入した場合にくらべ, 著しい腫瘍増殖の抑制がおこることを観察した. また合成性免疫アジュバントMDPをリポゾーム内に封入し, 担癌動物に投与すると著明な制癌効果が見られるが, この際ILー1,TNFなどの抗腫瘍因子の産生が見られないから, MDP封入リポゾームによる単球活性化と機能発現はこれら因子の産生とは異った機構により行われている可能性が示唆された. 4.ヒト末梢血単球と, ヒトマクロファージ様白血病細胞L937細胞との融合により作成したヒトマクロファージハイブリドーマをMAFーCI, MAFーCIIで刺激したところ, 極めて強力に殺腫瘍因子を放出することを観察した. それらのマクロファージハイブリドーマのあるものは, TNF,ILー1あるいはLTとは異なる殺腫瘍因子を放出していた.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Watanabe: J.Biol.Response Mod.6. 556-568 (1987)
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[Publications] O.Shimoda: Cancer Immunol.Immunotherapy. in press. (1988)
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[Publications] S.Sone: J.Immunol.139. 29-34 (1988)
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[Publications] A.Nii: Int.J.Cancer. in press. (1988)
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[Publications] K.Onozaki: Cancer Res.47. 2397-2402 (1987)
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[Publications] K.Onozaki: J.Immunol.140. 112-119 (1988)