1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62103011
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森本 信男 京都大学, 理学部, 教授 (10029829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤野 清志 愛媛大学, 理学部, 助教授 (40116968)
溝田 忠人 山口大学, 工学部, 助教授 (10018666)
土山 明 京都大学, 理学部, 助手 (90180017)
冨田 克敏 京都大学, 理学部, 講師 (70025352)
北村 雅夫 京都大学, 理学部, 助教授 (70004489)
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Keywords | 造岩鉱物 / 微細組織 / 相変態 / 高温透過型電子顕微鏡 / 輝石 / 反位相境界 |
Research Abstract |
本研究は, 重要な造岩鉱物の微細組織の形成, 消失の動的過程を原子オーダーで速度論的立場から理解し, それらの鉱物やそれを含む岩石の受けた熱や応力履歴についての基礎的知見を得ることを目的とするものである. 本年度は, 昨年度開発した高温透過型電子顕微鏡(HTTEM)を用いて, 輝石の相変態の研究をさらに進めた. また, 本年度購入したイメージインテンシファイヤーによる観察法の開発を行なった. 1.HTTEMによる輝石の相変態の研究 Caを少し含むMg-Fe輝石は高温ピジョン輝石, 低温ピジョン輝石, 斜方輝石などの間で複雑な相変態を行なう. 昨年度にひき続き, この三相間の相変態の直接観察を行なった. 前年度に行なった天然の低温ピジョン輝石の加熱実験と比較するために合成の結晶で実験を行なった. その結果, 高温-低温型の相変態には合成と天然物に大きな差がないが, 反位相境界の形成プロセスが大きく異ることがわかった. さらに, 高温-低温型が共存する場合の界面についての観察事実を弾性論を用いて理論的に説明した. 一方, 出発物質を斜方輝石とすると, 相変態の様子が大きく異り, 高温型ピジョン輝石が直接出現した. これらの実験結果から, 三相間の安定関係について考察した. Caに富むピジョン輝石では高温型から低温型に変態するとき反位相境界を形成すると考えられている. この反位相境界の形成についても, HTTEMで直接観察した. その結果, 反位相境界は, 一次の相変態によって形成されていること, また反位相境界の方向は温度によって変化することが見い出された. 2.イメージインテンシファイヤーによる直接観察 HTTEMにイメージインテンシファイヤーを装着し, 水晶の相変態を観察, 記録することに成功した.
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