蛋作質工学的手法を活用した微生物起源の蛋白性プロテアーゼインヒビターの多角的研究

1987 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 62300011
• Research Institution: Kyoto University
• Principal Investigator: 廣海 啓太郎 京都大学, 農学部, 教授 (50025425)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 赤坂 一之 京都大学, 理学部, 助教授 (50025368) ; 三井 幸雄 東京大学, 薬学部, 助手 (40012637) ; 太田 隆久 東京大学, 農学部, 教授 (30011844) ; 三浦 謹一郎 東京大学, 工学部, 教授 (30000227) ; 石井 信一 北海道大学, 薬学部, 教授 (90001031)
• Keywords: 蛋白質工学 / 遺伝子工学 / プロテアーゼインヒビター / ズブチリシンインヒビター / 金属プロテアーゼインヒビター / 蛋白質の核磁気共鳴 / 蛋白質のX線結晶解析 / 酵素ーインヒビター相互作用

Research Abstract

本報告中では, SSIは「放線菌のズブチリシンインヒビター」を, SMPIは「放線菌の金属プロテアーゼインヒビター」を表す. SSIのMet73を遺伝子工学的に種々のアミノ酸に変換することに成功し, ただ一個のアミノ酸の置換によるインヒビターの酵素特異性の改変を明示した(三浦). SSIがプロナーゼ中の金属エンドペプチダーゼを強く阻害することを見出し, その阻害様式を解析した(石井). SSI結晶の1.85分解能のX線回折データを収集し構造精密化を試み, またSMPIの結晶化に成功した(三井). 高度好熱菌のプロテアーゼであるアクアリシンIの遺伝子領域の全塩基配列を決定し, このものを大腸菌において発現された(太田). SMPIの遺伝子領域の塩基配列を決定した(高橋). SSIの13CーNMRスペクトルの帰属を側鎖原子団へと拡張すべく, 13Cー13Cスピン結合を利用する二次元NMR手法および特定部位炭素の多重標識法を開発した(甲斐荘). SSIに対するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ(10株)を作製した(井上). SSIのMet残基を選択的に重水素化し, これを用いてSSIーズブチリシン複合体中のMet73の挙動をNMR法により観測した(赤坂). SSIーズブチリシン結合反応の精密解析を目的としSH/SS化合物の電気化学的超微量分析法を確立するため, 新しい方法を導入した装置を作製した(千田). 反応部位を酵素的に修飾したSSIとズブチリシンとの相互作用を蛋白質蛍光を指標として解析した(廣海, 外村). 海洋細菌からズブチリシン阻害活性を有するペプチドを単離し, その一次構造を決定した(池中). ペプスタチンAc非感受性酸性プロテアーゼに対する微生物起源の蛋白性およびペプチド性インタビターを発見した(小田). 好熱菌から耐熱性の酸性プロテアーゼを初めて單離することに成功した(村尾).

Research Products

• [Publications] KUMAGAI,I.: Journal of Biochemistry. 101. 511-517 (1987)
• [Publications] KUMAGAI,I.: Journal of Biochemistry. 102. 733-740 (1987)
• [Publications] ISHIKAWA,K.: Proceedings of the Symposium on Three-demensional Structures and Drug Action. 165-175 (1987)
• [Publications] MATSUZAWA,H.: European Journal of Biochemistry (in press). (1988)
• [Publications] KWON,S-T.: European Journal of Biochemistry. (1988)
• [Publications] KAINOSHO,M.: Biochemistry. 26. 1068-1075 (1987)
• [Publications] WESTLER,W.M.: J.Amer.Chem.Soc.(1988)
• [Publications] AKASAKA,K.: Journal of Biochemistry. 102. 1371-1378 (1987)
• [Publications] MURAO,S.: Agricultural Biological Chemistry. (1988)
• [Publications] 小島修一: 第38回タンパク質構造討論会講演要旨集. 37-40 (1987)
• [Publications] 露木英明: 生化学. 59. 984 (1987)
• [Publications] 三井幸雄: 87年先端科学技術開発年鑑. 2. 38-40 (1987)
• [Publications] 三井幸雄: 蛋白質・核酸・酵素. 32. 35-39 (1987)
• [Publications] 甲斐荘正恒: 蛋白質・核酸・酵素. 32. 28-30 (1987)
• [Publications] 甲斐荘正恒: 蛋白質・核酸・酵素. 32. 40-55 (1987)
• [Publications] 赤坂一之: 現代化学(高分解能NMR-基礎と新しい展開). 11. 159-170 (1987)
• [Publications] 山口整毅: 分析化学. 36. 572-574 (1987)
• [Publications] 山口整毅: 分析化学. 36. 628-631 (1987)