1988 Fiscal Year Annual Research Report
二原子価欠損反応性中間体の物性開発と合成への応用に関する総合的研究
Project/Area Number |
62300014
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
奥 彬 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (50027885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 俊郎 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (30135628)
藤本 博 京都大学, 工学部, 助教授 (40026068)
長尾 善光 京都大学, 化学研究所, 助教授 (40027074)
村橋 俊一 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (60029436)
富岡 秀雄 三重大学, 工学部, 教授 (20024599)
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Keywords | カルベン / カルベノイド / シリレン / ナイトレン / スピン多重度 / ポリシラン / 有機合成反応 / 有機磁性体 |
Research Abstract |
63年度の研究成果は12月2、3両日開催された公開研究発表会において討論された。そこでの3分科会の研究活動は次のとうりである。 分科会1「カルベン、ナイトレン、シリレンの電子構造に基づく物性の基礎的研究」: 1)カルベン、ナイトレンの分子内、分子間磁性的相互作用を分子内に複数のカルベンをもつポリカルベンのESRを通じて解析する方法を編み出した(菅原)。 2)最小限の軌道相互作用を用いて、Mossのm値とカルベン反応性との関係を、二重結合に対する付加反応をモデルとして考案する方法を見いだした(藤本)。 3)ポリカルベンにおける高次のスピン多重度整列を、ポルフィリン骨格を有するカルベンにおいて検討した。(岩村)。 分科会2「カルベン、カルベノイドの特質を利用した高選択的合成反応の開発と有機合成への応用」: 1)アート型銅メチリデンカルベノイドを用いた環状多量化反応による新共役系の合成方法を見いだし、特異機能構造の合成をはかった(伊与田)。 2)ビスマスイリドとアルキン等の反応で、銅触媒によりカルベン中間体を経由する反応を見いだした(鈴木)。 3)新規なカルベノイドの亜鉛アート型カルベノイド合成法を見いだし、それを用いた立体選択的アルキル化反応を検討した(原田)。 4)立体選択的オレフィン合成反応試薬としてgem-ジメタル反応剤のジクロム化合物が有用なことを見いだした(内本)。 分科会3「シリレン、ナイトレンの新規反応性の開発と機能性材料開発への応用」: 1)ジアゾメタンの新規反応性であるナイトレン型1、1-付加反応を見いだし、ヘテロ環合成への応用をはかった(宮仕)。2)小員環ホモポリシラン類の光分解法が、良好なシリレン発生法となることを見いだした。 以上、研究分担者が所期の研究目的を挙げたことを確認し、さらなる研究発展には、このような組織的勉強、研究の会を継続することが重要であることを再認識した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Akira OKU,: J.Org.Chem.53. 3089-3098 (1988)
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[Publications] Toshiro HARADA,: Tetrahedron Lett.29. 3821-3824 (1988)
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[Publications] Hiroshi FUJIMOTO,: J.Mol.Struc.(Theochem). 163. 249-258 (1988)
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[Publications] Mitsuo ISHIKAWA,: Chem.Phys.Lett.143. 225 (1988)
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[Publications] Hideo TOMIOKA,: J.Chem.Soc.,Chem.Commun.1988. 1090-1091 (1988)
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[Publications] Yoshimitsu NAGAO,: J.Am.Chem.Soc.110. 6565-6566 (1988)
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[Publications] H.Iwamura,: "High Spin Polycarbenes.In Pursuit of Organic Ferromagnets.Reviews of Heteroatom Chemistry,S.,Oae.,Ed.,Vol.1" MYU, 9 (1988)