イギリスにおける刑事司法改革の研究

1988 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 62301065
• Research Institution: Kobe University
• Principal Investigator: 三井 誠 神戸大学, 法学部, 教授 (30030620)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 大澤 裕 東京大学, 法学部, 助手 (60194130) ; 田中 開 広島大学, 法学部, 助教授 (10188328) ; 酒巻 匡 神戸大学, 法学部, 助教授 (50143350) ; 長沼 範良 金沢大学, 法学部, 助教授 (40164454) ; 井上 正仁 東京大学, 法学部, 教授 (30009831)
• Keywords: イギリス刑事司法 / 警察 / 被疑者の取調べ / 停止、立入り、捜索、差押え / 逮捕、留置 / 犯罪捜査 / 検察制度 / 訴追・起訴

Research Abstract

本研究は、「1984年警察・刑事証拠法」および「1985年犯罪訴追法」の制定に伴って生じた、イギリスにおける刑事司法制度の大改革の全体像を両法典の制定前の状況、法改革の提言、圧力団体の動向、イギリス議会・委員会での審議を中心とする法律制定過程、法律制定後の実務上の変化などの調査・分析をとおして、わが国刑事司法のあり方を再考することを主眼とする。
1.前年度までに、両法典の翻訳・出版作業は完了し、上記の関連資料の分析・収集もひととおり終えた。今年度には、最新の情報につき、英国の諸機関および滞英中の研究者をとおして逐次入手した。
2.本年度は、主に、両法典を6つに分けて各担当者を決め、各担当者が、担当部分について従前の法と実務、法改革の提言、1984年法律案審議過程と法律成文との関係、法律制定後の実務の状況と各界の反応、新判例の動きをふまえたうえで、調査・分析結果を報告し、それを素材に全員で討議するという方法を数回くり返した。
3.ことに、両法典成立後、「刑事裁判法」の全面改正はじめ、いぜん刑事司法をめぐるイギリスの状況は流動的であるので、担当者はこれらの点についての配慮を怠らないように努めた。
4.逮捕、留置、停止、立入り、捜索、差押え、被疑者の取調べ、警察に対する不服申立て及び懲戒、警察・訴追制度の改革は、細部にわたったものだけに、わが国刑事司法の改善にいくつかの示唆を与えることは疑いない。
5.報告と全体討議が完了した部分については、担当者が論文を作成し、順次、法律雑誌『ジュリスト』誌に定期連載の形式で発表することとした。計画が若干遅延したが、1989年5月1日号より隔号に連載予定である。

Research Products

• [Publications] 長沼範良: ジュリスト. (1989)
• [Publications] 大澤裕: ジュリスト. (1989)
• [Publications] 井上正仁: ジュリスト. (1989)
• [Publications] 酒巻匡: ジュリスト. (1989)
• [Publications] 田中開: ジュリスト. (1990)
• [Publications] 三井誠: ジュリスト. (1990)