1987 Fiscal Year Annual Research Report
家畜・家禽の形質転換動物作出のための遺伝子導入技術の開発と遺伝子のクローニング
Project/Area Number |
62304026
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
入谷 明 京都大学, 農学部, 教授 (80026385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 荘一 神戸大学, 農学部, 助教授 (10031220)
森 誠 静岡大学, 農学部, 助教授 (90143411)
東條 英昭 富山医科薬科大学, 動物実験センター, 助教授 (20041668)
山田 淳三 京都大学, 医学部, 教授 (90025651)
山村 研一 熊本大学, 医学部, 教授 (90115197)
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Keywords | 遺伝子導入 / 遺伝子のクローニング / 成長ホルモン遺伝子 / Ornithine・trans carvamirase遺伝子 / Angiotensinogen遺伝子 / プレアルブミン遺伝子 / ^Aγ / βグロビン遺伝子 / 精巣化因子 |
Research Abstract |
1.遺伝子導入のための前核期卵子の生産:卵巣から得られた体外成熟卵子の体外受精率が高いが, 受精後の発生率が低かったが産子への発生が確認された. 鶏卵子の過剰排卵ホルモン処置によって誘起排卵された卵子の産子への発生能が確かめられ, その卵子の体外受精によって鶏初期分割胚が得られるようになった. 更に鶏卵子の成熟と排卵を支配する卵胞のステロイドホルモン代謝酵素(17α水酸化酵素と17ー20側鎖切断酵素)が明らかにされた. 2.遺伝子導入材料としての胚の凍結保存:マウス・ウシ・ブタの前核期卵子の凍結保存法が検討され, マウスでは発生能のある, ウシ・ブタでは形態的に良好な胚の凍結法が開発された. また遺伝子注入後の着床期胚の急速凍結法(マウス・ラット・ウサギ)やガラス化保存法(マウス)が検討された. 3.遺伝子のクローニング:鶏胎児における精巣移植によって, 未分化精腺の精巣化因子の存在が示唆された. 鶏Ornithine・trans carvamirase 遺伝子を得るために鶏精子DNAをラットCDNAとハイブリダイズさせたが鶏染色体DNA断片は得られなかった. しかしヤギ成長ホルモン遺伝子のCDNA及びゲノミックDNAは分離同定された. ラットにおける導入遺伝子DNA検出条件を確立するために, Angiotensinogen遺伝子のCDNAを用いて核DNAの多型を調べて, 3つの対立遺伝子が確認された. 4.遺伝子の導入と遺伝子発現調節機構の解析:特別に修飾していないウシやヤギの成長ホルモン遺伝子CDNAは注入後の挿入率は皆無に近かった. プレアルブミン遺伝子は産児では肝臓でのみ発現し, 血中にヒトアルブミンが検出された. 胎生期には13日目以降の肝臓と卵黄に発現した. ヒト^Aγ/βグロビン合成遺伝子の注入によって^Aγ/βグロビン遺伝子は成熟マウスの赤血球, 16日目の胎児肝に, ^Aγは10.5日目卵黄嚢のみに見られた. 導入遺伝子のDNA断片の領域やその修飾によって臓器特異的や時期特異的に発現することが認められた.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] A.Iritani: Proc.15th World Conger.on IVF&ET. (1987)
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[Publications] Y.Yamano: FEBS Letters. 228. 301-304 (1988)
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[Publications] K.Yamamura: Develop.Genet.(1988)
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[Publications] S.Wakasugi: Proc.Jpn.Acad.(1988)
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[Publications] 首藤和久: 家畜繁殖技術研誌. 9. 101-106 (1987)
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[Publications] H.Miyamoto: Japan J.Zootech.Soci.59. (1988)